ストレスと眠りは密接に関係している。仕事や人間関係がうまくいかないといった悩みを抱える人の多くは不眠気味である。世界保健機関の調査によると、世界の人口のおよそ10~30%が慢性的な不眠に悩まされているという。
心理カウンセラーである著者は睡眠を改善しようとして治療にあたるわけではない。だが、心理療法のひとつである「催眠療法(現代催眠)」を行うと、日頃の悩みが解消され、よく眠れるようになる。催眠の作用によって不安や恐怖が消え、リラックスできるようになるからだ。
私たちは不安なことがあると、「自分でなんとかしなければ」と力んでしまう。だから布団に入っても思考が止まらず、眠れなくなってしまうのだ。この「考えすぎてしまうクセ」を手放すには、「無意識」に委ねることが大切だ。
人間には「意識」と「無意識」がある。私たちは常に意識的に考えて行動しているつもりになっているが、実はほとんど無意識のうちに行動している。睡眠も、呼吸やまばたきと同様に無意識に行うものだ。
無意識のうちにできるはずの睡眠がうまくとれなくなるのは、寝る前に考えすぎている、つまり、意識が働きすぎているからだ。意識の働きすぎを止め、無意識に委ねられるようになれば、ぐっすり眠れるようになる。
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