「人生100年時代」や「リスキリング」という言葉をよく耳にするようになってきた。社会の先行きが不透明な中、終身雇用が見直され、所属組織の指示通りに働き続けること自体がキャリア上のリスクになり得る。
キャリアは曖昧で、扱いづらいものであり、人それぞれの形がある。自分自身のキャリアについて漠然とした不安を抱えたまま足踏みを続けている、という人も多いだろう。
曖昧なものに対処するには、枠組みや地図が必要となる。キャリアは枠組みに沿って言語化し、整理することで、見えやすくなる。著者は、キャリアを考えるための補助ツールとして、「5つの資」というフレームを提唱する。これは、自分自身の現在地やすでに持っているもの、これから必要なものを見つめるための枠組みである。「5つの資」を使って自分のキャリアについて考え、「いいキャリア」を育てていこう。
本書の「5つの資」とは、資格、資源、資質、資本、資産である。
(1)資格(やりたいことへの挑戦権)
(2)資源(資本の元となる時限的リソース)
(3)資質(資源を有効活用するための持ち味)
(4)資本(資産を得ていくための強み)
(5)資産(働く理由となりうる価値)
多くの人にとって、キャリアの最終ゴールは「資産」を得ることだろう。
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