日本では、生成AIの話になると、なぜか「ChatGPTでなくなる職業はどんな職業か?」というように、「ChatGPTに仕事を奪われる」という前提で話が進むことが多い。しかし、問題の本質は、「どんな職業が残り、なくなるのか」ではない。「どんな人が(良い条件で)働き続けられて、どんな人が働き続けられなくなるのか」という点である。
シリコンバレーではすでに、この新しい技術を使って、仕事をどこまで効率化でき、その時間で何を提供できるかを考えるフェーズに入っている。そもそもシリコンバレーでは、新しい技術を学べないと職を失う可能性が高まる。そのため、最初からChatGPTに代替されない仕事は何かといった議論はされない。定期的にリスキリングしなければ生き残れないと考える人が多いので、ChatGPTのような革新的なテクノロジーの登場にもすぐに対応しやすいのだろう。
大学で4年間教育を受けて40年働き、60歳で引退するという「4to40」のキャリアの時代が終わりつつある。これからは、4年間学んだ知識で4年働き、学び直しをしてスキルアップしてまた働くという「4to4」のキャリアの時代に突入する。
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