ChatGPTの衝撃

AIが教えるAIの使い方
未読
ChatGPTの衝撃
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ChatGPTの衝撃
出版社
実業之日本社

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出版日
2023年06月05日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

ついにここまで来たのか。ChatGPTが登場したとき、AI技術を少しでも知っている人なら誰もがそう思っただろう。

Googleが登場したときは検索精度の高さに、DeepLの登場時には翻訳の正確さに驚かされた。しかしいずれも、基本的には検索、翻訳といった単一機能を果たすのみだった。また、スマートスピーカーなどに搭載されている対話型AIはかなり自然な応答をしてくれるが、あくまでインターフェース、ボタンを押す代わりの機能が中心だ。

自然にやりとりでき、さらに高度な仕事を任せられるAIが実現するのは、もっと先の未来のことだと思っていた。そんな折に登場したのがChatGPTだ。その利便性や生成物のクオリティはまさに衝撃だった。

一方でChatGPTを使いこなすのは難しい。多くの人が気づいているように、「プロンプト」と呼ばれる指示文は、少しのワーディングの違いによって回答が大きく変わってしまう。このAIの「人格」をよく理解し、うまく使いこなす方便を学ばねばならない。

本書はまさに、ChatGPTの長所をうまく引き出す使い方がたくさん記されている。これから本格的に利用しようと考えている人にとっては手ごろなガイドとなるはずだ。

自動車やパソコンといった便利な道具を使いこなせるようになるには、誰しも練習が必要である。ChatGPTも同様だ。本書は新たな文明の利器を上手に取り扱う、その第一歩をサポートしてくれるにちがいない。

ライター画像
ヨコヤマノボル

著者

矢内東紀(やうち はるき)
1990年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業。経営者、著作家、投資家。23年5月にChatGPTを活用したブレインウェーブコンサルティング株式会社、プロンプトテックスターズ株式会社の2社を創業し、代表取締役社長に就任。また、客が日替わりで店長を務めるイベントバー「エデン」の創立者であり現・会長でもある。SNSでは「えらいてんちょう」通称「えらてん」の名前で親しまれており、総フォロワー数は15万人を超える。著書に『しょぼい起業で生きていく』(イースト・プレス)、『ビジネスで勝つネットゲリラ戦術詳説』(KKベストセラーズ)、『批判力』(実業之日本社)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    ChatGPTは、会話型のアプリケーションのAIだ。自然言語処理の進化により、人間と同じような会話を実現することが可能となった。
  • 要点
    2
    ChatGPTを使いこなすカギは、プロンプトと呼ばれる質問や指示の文章だ。明確で具体的な質問をすること、質問の文脈を提供すること、必要に応じて制約を設けることなどがポイントとなる。
  • 要点
    3
    今のところChatGPTを最も活用できる分野は企画書や議事録、報告書など、構造が明確なビジネス文書の作成支援だろう。要約や初級レベルのプログラミングにも役立てることができる。

要約

ChatGPTの衝撃

ChatGPTの概念

ChatGPTは、米オープンAIが開発した会話型のアプリケーションに特化したAIモデルだ。このモデルは、自然言語処理(NLP)の進化により、人間と同じような会話をすることが可能となった。

従来の検索エンジンに比べ、ChatGPTは質問に対してより適切で豊かな回答をしてくれる。さらに文章の生成や要約、翻訳など、幅広い言語タスクを処理でき、ユーザーは自然な言葉で質問や指示を入力するだけで、高品質な応答や生成物を得ることができる。

Generative Pre-trained Transformerの略であるGPTは、大量のテキストデータをもとに学習した文章生成モデルだ。GPT-3やGPT-4など、GPTモデルの数字はそのモデルがどの世代に属するかを示している。数字が大きくなるほどモデルは新しい世代に属し、一般的には性能が向上していることを意味する。

自然言語処理技術の進化
Peach_iStock/gettyimages

自然言語処理技術は、コンピュータが人間の言語を理解し、生成する能力を持つための分野である。初期のNLPは専門家が作成した文法規則や辞書を使用しており、限定的なタスクにしか機能しなかった。

しかし1990年代以降の統計的手法や2010年代に開発が進んだ深層学習(ディープラーニング)など、大量のデータから言語の特徴や文章の構造を自動的に学習させる手法が次第に確立された。さらにトランスフォーマーアーキテクチャやBERTといった手法により、大幅な性能向上や多様なタスクへの対応を可能とした。

一方、ChatGPTには苦手なことやできないこともある。学習している内容は最新情報とは限らないため、リアルタイム性のある情報の提供はできない。また複雑な論理的推論や専門的な知識が必要な問題に対しても、十分な回答ができないことがある。もちろん倫理的、法律的な問題に対する判断は人間が行わなければならない。

プロンプトがカギ

プロンプトとは、ChatGPTに入力する質問や指示のようなテキストのことだ。プロンプトの適切な設定により、望ましい結果が出力されやすくなる。

明確で具体的な質問をすること、質問の文脈を提供すること、必要に応じて制約を設けることなどがポイントだ。

また複雑な質問や、複数の要素を含む質問は、いくつかの単純な質問に分割することで、より明確な回答が得られることがある。逐次的に質問することで、それぞれの回答が前の質問の文脈に基づいて得られることを確認できる。

【必読ポイント!】 ChatGPTの「基本・ビジネス」

文章を作る

文章生成はChatGPTの基本的な機能の一つで、メール対応、ブログ記事作成、SNS投稿、広告コピー作成など、多くの実用的なシーンで活用することができる。

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要約公開日 2023.11.23
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