問題解決、情報整理、自己実現……。私たちはたくさんの情報に囲まれて、その処理に追われる日々を過ごしている。そんな状況のなか「もっと頭が良くなりたい」と考えるのは当然のことだ。とはいえ、人間の頭の構造をつくり変えることはできない。
だが、「道具」を使えば話は別だ。私たち人間は鍬や梃子や車輪など、さまざまな力道具を使って生活を拡張してきた。頭仕事も同じで、情報を「記録」するソロバンや電卓などの「知的道具」によって、計算能力は底上げされた。
「ノート」もそうした知的道具のひとつである。ノートを使えば情報処理力が上がり、注意の向け方を変えることもできる。ノートを使い続けることで、頭そのものの使い方も変わってくるのである。
ノートには「こう使わなければならない」というルールはない。むしろ自分なりに使い、「自分らしい使い方」を開発していくことが望ましい。その自由さこそが、ノートの魅力なのである。
本章では、実践的な「ノート術」に入る前に、ノートをつくるうえでの基本要素(エレメント)を紹介する。
まずは、「ノートの種類」である。ノートは大きく4つの種類に分けられる。1つ目は大学ノートに代表される、綴じられた「ノートブック」だ。後から順番が変えられないため、情報の正確性を担保したい「作業記録」などの用途に適している。
2つ目は「ルーズリーフ」だ。必要な分だけ持ち出せるため利便性に長けるが、それ単体では書きにくいというデメリットもある。
3つ目は、後からちぎり取れるタイプの「ノートパッド」で、ノートブックとルーズリーフの長所を合わせたハイブリッド型である。最後は「カード」となり、自由な配置が可能なためブレストなどの思考整理に最適だ。
それぞれの特色を見極め、状況に合わせて適材適所で使っていくといいだろう。
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