将来への不安にとらわれたり、悲しくなったりしたとき。そんなときは、「自分が落ち込んでいるのは、『何かのショック』を受けたからではないか」と考えてみることが重要だ。
たとえば誰かの「会社で売り上げをあげた」「留学経験がある」といった羨むような情報は、「衝撃」となって心を揺さぶる。すると心身は「もう二度と衝撃を受けたくない」モードに入り、警戒するようになる。その「警戒」は自分自身にも向くため、「自分はこのままでいいのか」と気になり始め、過去の自分の選択全てが間違っていたような気にもなってしまう。
そんなときは、感情ではなく「ショックを受けたこと」に注目するといい。不安や落ち込みなどの感情も含め、「自分はショックを受けているのだ」と認め、衝撃が去るのを待ってみよう。すると気持ちが落ち着き、気になっていたことも消えていくだろう。
「心の余裕」がなくなって、いろいろなことが気になりだすときは、視点が「過去」や「未来」に行っていることが多い。
たとえば、恋人と一緒にいても「もしフラれたら」「もし飽きられたら」と不安になるとき、視点は「未来」に向いている。人は、自分の安全が保証されない「未知のこと」に不安を抱くものである。
未来に焦点を当ててしまうことの問題点は、「今の時間を大切にできない」ことである。せっかく楽しく過ごしていても、先のことを気にして今の時間まで不意にしてしまうからだ。
私たちはいつでも「今」を生きていて、幸せや愛を感じるのも「今」にある。そして、「未来」は独立したものではなく、「今」の先にあるのである。
「今」の質を高めていけば、それを積み重ねた先にある「未来」も質の高いものになるだろう。つまり、「今」愛を感じられるようにしていけば、未来でも愛を感じる可能性は高くなるということだ。
人間関係で大切なのは、「ありのままの自分」でいることだ。「ありのまま」を受けいれてくれる人といると、本来持っている心の「しなやかさ」が解放され、「もっと頑張ろう」という気持ちが芽生えてくる。そのため、恋人や友達など自分の周囲にいる人たちは、取り繕ったり背伸びをしたりする必要のない、自分と合う人を選ぶといい。
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