昨今、業界によらず、悪徳業者にかぎって儲けている実態がある。その一方、真面目に取り組んでいるにもかかわらず、苦労している会社は多い。
真実をいおう。「真面目に働く」のと「儲かる」ことに相関関係はない。残念ながら、真面目で誠実な会社でも潰れるのだ。
悪徳業者は、品質の悪い商品を売っているため、黙っていれば売れない。だからこそ、頭をひねり、工夫を凝らす。
ところが正直ものは、商品が良いからと、売り方を真剣に勉強しない。商品が良ければ自然と売れると思い込んでいるし、楽をするなんてもってのほかだと考え、自分の時間をひたすら仕事に投入している。
正直もののあなたはまず、次に教える「正直ものが失敗する5つの理由」を知った上で、頭のなかにしみ込んだ常識を綺麗さっぱり消してしまおう。それらの常識は一見まともだが、実はあなたの成功を妨げているからだ。
1つめは「一生懸命頑張れば、売れる。売れないのは、頑張りが足りないからだ」だ。売れないのはあなたのせいではなく、単に商品が成熟しているからだ。成熟商品をいくら広告しても、お客の反応は鈍い。
2つめは「これだけ価格が安いのだから、絶対に売れるはずだ!」だ。正直ものは利益計算が甘いこともあり、利益が出ないレベルまで安くしてしまいがちだ。割引をするより、商品・サービスの「絶対的な価値」と「お客が感じる価値」を高めるほうがずっといい。
3つめは「お客のニーズをつかめば、売れる」だ。お客のニーズをつかんでプレゼンする「提案営業」は、「私、売り込む人」「あなた、売り込まれる人」という人間関係をつくるため、売り込まれる人に「こいつをできるだけ早く追い返そう」と思わせてしまう。提案営業より、相手にしゃべらせて信頼関係をつくるほうが、結果的には受注への近道となる。
4つめは「お客さんに気に入られれば、そのうち買ってもらえる」だ。「お客は神様、私は奴隷」という関係は逆効果になりかねない。相手からのアポ依頼を断るくらいのほうが、希少性が高まって、受注しやすくなる。
5つめは「チラシを配っても反応が悪い。きっとうちの会社は、有名じゃないからだ」だ。チラシを配っても反応がない大きな理由は、単にチラシが客の感情とずれているからである。
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