少人数だと話せるのに、人が増えると急に話しづらくなるのはなぜか。
世の中には様々なコミュニケーションに関するノウハウがある。しかし、「コミュニケーションが苦手」であることと、「複数いると話しづらくなる」ことは、まったく別問題だと著者は考える。
複数になると話しづらくなる原因は、「脳の処理能力」にある。そもそも、「会話」というものは、言葉と思考の応酬だ。誰かが話すのを聞いてあいづちを打ち、自分も発言する。それに対して相手もまた反応する。こうした作業はすべて脳がおこなっている。会話中、脳はフル稼働で処理しているのだ。
当然、会話の人数が増えると、脳のやるべきことも増える。1対1ならなんとかなっても、複数になると言葉が出てこなくなったり、相手の話にうまく反応できなかったりするのは、脳がパンクしているからだ。
脳が「なんかいっぱいある!」と感じて、処理が追いつかなくなる境界。それは、「3」と「4」の間にあると著者は考える。たとえば、「トップ3」という言い方はあるが、「トップ4」はない。また、オリンピックのメダル数、三大欲求、日本三大○○なども、すべて「3」である。
著者はこれまで数多くのグループインタビューを行ってきたが、「3人だと話が盛り上がるのに、4人以上になった途端、沈黙が広がる」という場面に何度も遭遇してきた。
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