ビジネスの結果が変わるN1分析

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ビジネスの結果が変わるN1分析
出版社
日本実業出版社

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出版日
2024年11月22日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「新サービスは当社のお客さまにきっと気に入っていただけるはずだ」「この広告はターゲットに刺さらないのでは?」……組織では日々、このような議論が交わされている。では「当社のお客さま」や「ターゲット」とは、具体的に誰のことだろう? この問いにドキッとしたら、ぜひ本書を手に取ってみてほしい。

著者の西口一希氏は、P&G、ロート製薬、ロクシタン、スマートニュースなどのマーケティングや経営に携わったのちに独立し、累計380社を超える企業の支援を行ってきた。『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』や『実践 顧客起点マーケティング』など、西口氏の著書を愛読しているマーケターも多いだろう。

そんな西口氏は本書で、多くの企業において「『お客様第一』『顧客視点』などと言いながら、最も重要な顧客が見えなくなっている」と指摘している。そしてその上で、インタビューを通して実在する1人の顧客(=N1)を徹底的に理解し、その顧客が価値を見出す便益と独自性を把握して商品開発や訴求に生かすアイデアを得る「N1分析」の重要性や実践方法を詳しく指南する。

「たった1人にフォーカスしていては、多くの人に愛されるプロダクトはつくれない」と、このアプローチに抵抗を抱く人もいるかもしれない。だがそんな人も、本書を通読すれば、きっとN1分析を実践したくなるはずだ。

著者

西口一希(にしぐち かずき)
大阪大学経済学部卒業。P&Gブランドマネージャー、マーケティングディレクター。ロート製薬執行役員マーケティング本部長を経て、ロクシタン代表取締役社長 グローバルエグゼクティブメンバー 社外取締役戦略顧問。スマートニュース執行役員マーケティング担当(日本・米国)。M-Force を創業し、マクロミル社に売却。現在、Strategy Partners およびWisdom Evolution Company 代表取締役社長。
著書『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』(日本実業出版社)、『たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング』(翔泳社)、『企業の「成長の壁」を突破する改革 顧客起点の経営』(日経BP)、『マンガでわかる 新しいマーケティング』(池田書店) 。
https://strategy-ps.com
https://wisdom-evolution.com

本書の要点

  • 要点
    1
    「N1分析」は、実在する顧客1人ひとりを「N1インタビュー」によって深掘りし、顧客ニーズを洞察して、プロダクトや広告に生かす帰納的なアプローチである。
  • 要点
    2
    大ヒットした「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」の広告や「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」の商品開発の裏側には、N1分析があった。
  • 要点
    3
    真っ先に「N1インタビュー」の対象にすべきは、単価や頻度を上げて継続購入してくれている「積極ロイヤル顧客」だ。商品・サービスとの出会いから現在までを深掘りし、顧客にとっての便益と独自性を探ろう。

要約

【必読ポイント!】 N1分析とは何か

お客様は「ただの数字の塊」ではない

ビジネスを行ううえでとくに重要なのは、「継続的に利益をもたらす顧客」と「一過性の顧客」を区別し、両者の違いを検証することだ。よくプロダクトを買ってくださる人と、プロダクトを買っていたのに途中から離れてしまった人、プロダクトを知ってはいるけれども買ったことのない人を比べ、その差異を把握する必要がある。こうした違いを見ることなく「PV(ページビュー)を上げるにはどうしたらいいか」「課金率を上げるには、どうしたらいいのか」「売上を達成するためにはどうしたらいいか」といったことばかり考えていると、お客様はそれらを達成するための「ただの数字の塊(マス)」になってしまう。

実在する1人のお客様に注目する
Zolga_F/gettyimages

マーケティングで機能するアイデアを導き出すためには、実在する1人のお客様(N1)に焦点をあて、その人の詳細を深く理解することが重要だ。はじめてプロダクトの便益を認知したときの心の動き、あるいはリピートしたときのきっかけを「N1分析」で見つけ、顧客戦略の起点にするのだ。

誰かにプレゼントを贈るときのことを考えてみよう。次の3つの選択肢のうち最も喜んでもらえる自信があるのは、どのケースだろう?

(1)自分の子やパートナー

(2)自分の同僚10人

(3)4年制大学の学部を卒業し、現在、首都圏に居住する年収400万~500万円の独身女性

成功する確率が高いのは断然(1)だろう。実在する1人が相手だからこそ、その人が喜んでくれるものを選びやすいはずだ。

「N1分析」もそれと同じだ。実在する1人の顧客を徹底的に理解し、その顧客が価値を見出す便益と独自性を見極めるからこそ、プロダクト開発やコミュニケーションのアイデアが得られる。

「N1分析」では、インタビューによってお客様1人ひとりの趣味や嗜好、生活態度、価値観、持ち物、興味の対象などを知ると同時に、購入行動を左右しているインサイトを探っていく。

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要約公開日 2024.12.01
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