本書では、「アウトプット」を「あなたの考えや活動を誰かに知ってもらい、協力を得られるようにするための働きかけ全般」と定義した上で、自分自身の考えや経験を広く伝える方法を「書く」「話す」「作る」「動く」に分け、土日どちらかの朝15分、30分、1時間、半日を使ってできる具体的なアウトプット法を解説している。
「書く」とは、自分の考えや感情を書き出して整理したり、SNSなどを通じて発信したりすること。
「話す」とは、自分の考えをわかりやすく、かつ熱量を持って伝え、コミュニケーションを取ること。
「作る」とは、自分の主義や主張、理念を周囲に役立つ形で言語化し、マネタイズ(収益化)に向けて準備すること。
「動く」とは、行動を起こし、その結果をもとに検証や修正を続けていくこと。
要約ではこのうち「作る」と「動く」を取り上げて解説していく。
本書では、あなたから滲み出る「あなたらしさ」という意味で、「だし(出汁)」というキーワードを使う。いままでの経験を掛け合わせ、あなたの「あり方」「信念」「経験」がブレンドされて滲み出してくるものが、あなたなりの「だし」となる。
一つひとつの「だし」が薄くてもかまわない。昆布とかつおの合わせだしがおいしいように、あなたの「だし」も、複数を掛け合わせることで深みが出る。
アウトプットが習慣化できない原因としてよく挙げられるのは「ネタ切れ」だ。
ネタ切れを防ぐには、時事ニュースや本、マンガ、エンタメなど、ずっと仕入れ続けられるものを題材にするといい。ニュースやエンタメの内容を自分はどう見るか、ニュースやエンタメを見てどう考えたか、というあなたなりの視点(=だし)を入れてアウトプットするのだ。
そうしてアウトプットを積み重ねれば、やがて周囲から質問がくるようになる。それに答えていけば、ネタ切れとは無縁になれるだろう。
あなたなりの視点といっても、難しく考える必要はない。あなたが「当たり前」「言うまでもない」「みんなできるでしょう」と思っていることに価値があるのだ。
あなたの「当たり前」を言語化するモジュール(複雑で時間がかかる大きなことを小さく分け、管理しやすくしたもの)は次の2つだ。
モジュール(1)では「え、そうなの?」と驚かれたことを思い出す。例えば資料作成なら「いきなりパワーポイントを開かず、話の流れをノートに下書きする」、ファッションなら「お盆をすぎたらノースリーブは着ないようにしている」といったことだ。
モジュール(2)では、行動ログをつけてみる。自分の行動を記録すると、無意識の習慣や工夫が見えてくる。
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