僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方
僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方
僕が若い人たちに伝えたい 2035年最強の働き方
出版社
出版日
2024年12月24日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

いつもひょうひょうとして、「気楽に生きる大人」の代表格のようなひろゆきさん。動画配信や掲示板サイトの管理をしながら、フランスと日本を行き来する生活スタイルは、うらやましくもある。本書はそんなひろゆきさんが考える「これからの働き方」を綴った一冊だ。

そもそも私たちは、幼い頃から「学校に行って、卒業したら会社で働く」という生き方を刷り込まれている。いい会社で働くためにいい学校に行って、がんばって勉強する。もちろん、若くして起業を志す人もいるだろうが、多くの日本人は「会社で働く」ことを基準に考えているはずだ。

だが知ってのとおり、いまは働き方が多様化している。日本の経済状況は芳しくないし、AIの普及によって職業地図も変わりそうだ。将来への不安を抱きつつも、とりあえず現状維持を選んでいる人は多いだろう。

本書では「そもそも、なんで働くの?」「ご飯が食べられるなら、働かなくてもいいんじゃない?」と読者に揺さぶりをかける。ストレートな問いかけにドキリとしてしまうが、たくさん稼ぐことやいい暮らしをすることは、果たして自分が望むことなのだろうか? そうでないと幸せになれないのか? もっと自由に生きることもできるのでは? それにはどうすればいいのだろう? と蓋をしていた箱が開き、芋づる式に問いが生まれる。

著者の言うことには「そういう考えもあるな」と思わせる力があり、新たな選択肢を与えてくれる。自分らしい働き方を模索する人、人生の枠を広げたい人はぜひ一読いただきたい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

ひろゆき(西村博之)
1976年、神奈川県生まれ。
東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。
1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。
YouTubeの公式チャンネル登録者数は158万人。動画再生回数は2億回以上(2024年11月時点)。Z世代から最も支持されているインフルエンサーの1人でもある。

本書の要点

  • 要点
    1
    働き方は多様化している。幸せに生きるには、固定観念を捨てて選択肢を増やすことが大切だ。
  • 要点
    2
    自分が満足だと思える暮らしには、何が必要で不要なのか。そのラインを知ると、がんばりすぎたり自分を追い込んだりすることがなくなる。
  • 要点
    3
    人生には「開拓力」が必要だ。いまの環境が悪くても自ら行動を起こすことで、人生を切り拓くことができる。
  • 要点
    4
    「この資格を持っておけば安泰」という時代は終わった。
  • 要点
    5
    英語力アップの秘訣は、「とにかく海外に行くこと」である。

要約

「最強の働き方」とは

「理想の働き方」は時代とともに変わる

ほんの何十年か前まで、日本では「偏差値の高い大学を出て、大きい企業に就職して定年退職まで働く」という「レール」に乗っていさえすれば、人並み以上の生活が約束された。しかし今はそうもいかない。会社や国の経済成長に依存することができなくなっているからだ。

日本的なメンバーシップ型雇用も機能不全を起こしている。若年人口の減少から新卒が集まらない、育成してもすぐ転職してしまうなどの問題がある。

そんな中、業務に応じて適任者を採用するジョブ型雇用の導入が進んでいる。職務に対する成果、給与、勤務地などを合意のうえで働くため、雇用者・被雇用者双方とも、互いへの要望を伝えやすい。自分のキャリアを自分でデザインしたい、成果に見合った給与が欲しい、専門性を高めたい、といった人には適した働き方ではないかと著者は考える。

人生の選択肢を増やすこと
erhui1979/gettyimages

働き方は今後さらに多様化するだろう。フリーランス人口は急増しているし、ビジネスも以前と比べて格段にはじめやすくなった。かつては公務員や銀行員、大企業の正社員になるのが「勝ち筋」であったが、それも変わってくるはずだ。

「勝ち組」「負け組」という概念も捨てるべきである。いま若い人で大金を稼いでいる人は、コンテンツクリエイターやアプリ開発者、スタートアップ経営者など、既定路線から外れた人たちばかりだ。

そもそも「お金を稼げる=勝ち」とも言えない。最低限のお金を稼ぎながら、田舎でのんびり暮らすスタイルを選ぶ人も増えている。他人が決めた勝ち負けではなく、自分にとっての幸せを追求するべきだ。

その際、キーワードとなるのは「選択肢を増やすこと」である。働くスタイルや時間、住む場所など、いくつもの選択肢を増やす。そうすれば社会動向や勤め先に左右されず、自分が幸せだと思える生き方ができるのではないだろうか。

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要約公開日 2025.03.28
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