緊張やわらぎメソッド
緊張やわらぎメソッド
「失敗したらどうしよう…」が「まぁなんとかなる!」に変わる80の方法
緊張やわらぎメソッド
出版社
小学館クリエイティブ

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出版日
2025年02月02日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

プレゼン、商談、自己紹介など、ビジネスシーンには緊張せざるを得ない場面が多々ある。もちろん場慣れすることも大切だ。しかし、「何度経験しても慣れない」「どうしても緊張してしまう」という人もいるだろう。

本書は、そんな人に読んでほしい一冊だ。本書では、80のシーンに分けて緊張をやわらげる対策を紹介している。大人数の前での緊張、1対1のときの緊張、そしてプライベートや日常のちょっとした場面での緊張。ひとえに「緊張する」といっても、その種類はさまざまだ。本書ではカテゴリー別に、多彩なシーンがずらりと並ぶ。

著者は「あがり症克服オンラインサロン」を運営する佐藤健陽氏と、心理カウンセラーの加藤隆行氏だ。佐藤氏は高校2年のときにあがり症になり、以来20年にわたり苦しんだ“緊張キャリア”の持ち主だ。加藤氏はIT企業に就職するも、30歳のときに体調を崩し、入退院を繰り返すうちに自分の心と向き合うようになったという。緊張に苦しむ人たちが少しでもラクになるよう、ふたりの知識と経験と知恵を詰め込んだのが本書である。

緊張緩和には「心理面」「身体面」「社会面」の3つの側面からアプローチできるという。本書では多角的な視点を取り入れて、それぞれの場面に合ったスキルを紹介している。いずれも緊張しているその場でできるものが中心であり、すぐに試せるのも大きな魅力だ。

緊張は、ほんの小さな行動でやわらげることができる。ぜひ1つでも試してみて、効果を実感してほしい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

佐藤健陽(さとう たけはる)
1972年秋田県生まれ。佐藤たけはるカウンセリングオフィス代表。佐藤たけはるあがり症克服オンラインサロン運営。高校2年のときにあがり症となり、母親の前でも緊張して話せなくなった自分に衝撃を受ける。その後、20年間にわたって重度のあがり症に苦しみ、ひきこもり、パチプ口、麻雀店店員などを経たのち、人生を見つめ直して福祉職に就く。恐怖突入を繰り返していく中であがり症を克服し、現在はその経験をもとに、日本に本物のあがり症克服法を普及させることをミッションに掲げ、あがり症克服オンラインサロンを運営している。また、人の生きる意味を明らかにする「世界に一つだけの物語」のワークショップが好評を博している。

加藤隆行(かとう たかゆき)
1971年生まれ。愛知県名古屋市出身。ココロと友達オフィス代表 心理カウンセラー。幼少より病弱だったこともあり、劣等感が強くコミュニケーションの苦手な子に育つ。SEとして大手通信企業に入社。インターネット黎明期より関連サービスの企画開発に携わる。激務の中、30歳のとき体調が激烈に悪化。3度の休職と入退院を繰り返し、しだいに自身のココロと向き合うようになる。2015年に退職し、心理カウンセラーとして独立。「大人の自己肯定感を育てる専門家」として、各種心理療法、ボディワーク、瞑想などを組み合わせた独自プログラムを開発しカウンセリングやセミナーを開催。愛称は「かとちゃん」。

本書の要点

  • 要点
    1
    自己紹介で自分の番が回ってくるとき、心臓がドキドキして全身が固まってしまうことがある。ゆっくり呼吸をして、緊張エネルギーを外に発散させよう。
  • 要点
    2
    会話の輪に入るタイミングがわからないときは、「へー」「ふーん」と同調して話のペースをつかもう。すると、会話にも入りやすくなるはずだ。
  • 要点
    3
    距離感が微妙な人とエレベーターで鉢合わせたときは、無理に話そうとしなくていい。
  • 要点
    4
    初めての一人暮らしなど、初めて経験することには緊張がつきものだ。ゲーム感覚を取り入れて、緊張を楽しむようにしてみよう。

要約

【必読ポイント!】大人数の前での緊張

自己紹介のとき緊張で全身が固まってしまう

自己紹介のとき、自分の番が近づくにつれて恐怖感が増し、心臓がドキドキする――。この現象を「順番恐怖」という。

他の人の話は耳に入らず、「何を言えばいいか……」と頭の中でぐるぐる考え続ける。このとき、体内では交感神経が活性化し、膨大なエネルギーが充満している状態にある。

こうした場面で大切なのは、安全の確保とエネルギーの発散だ。緊張は抑えようとするほど苦しくなる。余分なエネルギーを発散し、消費することが先決である。

おすすめなのは「全身拡散法」だ。これは座っていても立っていてもできるため、緊張して体がガチガチになったら試してみよう。手順は次の通りである。

(1)心臓やみぞおち、お腹など、緊張を強く感じる部位を特定する。

(2)その部位の緊張を意識し、それを全身へ広げていくイメージをつくる。

(3)ゆっくりと呼吸をしながら、その感覚を呼吸に溶かしていく。

こうすることで、緊張によるエネルギーを安全に外へ放出できるだろう。

オンラインミーティング、みんなの視線が怖い
miakievy/gettyimages

オンラインでの打ち合わせでは、画面越しに全員から見られている状態で発言することになり、強い緊張を感じやすい。

このとき、無理に「緊張から逃れよう」としてはいけない。緊張に意識を向け過ぎると、かえって緊張が増してしまうからだ。そのため、意識の半分くらいを「緊張以外」のことに向けると、緊張を和らげることができる。

その一つの方法として、画面上の人の配置を変えることが挙げられる。オンライン会議サービスの「Zооm」では、手元の操作で画面配置を変更できる。安心感のある人を中央に配置したり、その人の顔を見ながら話したりするとよい。できる範囲で「安全の手がかり」を寄せ集めることで、緊張を和らげることができるだろう。

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要約公開日 2025.03.27
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