#100日チャレンジ
#100日チャレンジ
毎日連続100本アプリを作ったら人生が変わった
#100日チャレンジ
出版社
出版日
2025年01月14日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「サボることに全力を尽くす」という著者・大塚あみ氏がChatGPTに出会ったのは大学の授業中。「人格を持たせる」ようなプロンプトを作り、サボり癖のある大学生が書きそうなレポートを書かせるという使い方を考えていた。しかし、ChatGPTにプログラミングのコードを書かせ、ゲームを作り始めたことにより著者の日常は一変していく。最初はChatGPTに書かせたコードをただコピーして貼り付けただけのゲームを作っていたが、日を追うごとにプログラミングの理解を深め、新たな知識を作品に取り入れ、著者の技術はどんどん向上していく。

「ChatGPTで人生が変わった」という著者だが、この変化は容易に起きたのではない。新たな技術のおかげで著者のなかにあった熱意が、これまでの学習体験とは違うかたちで花開いたという印象だ。従来のプログラミング教育では、見本のコードを「写経」のように書き写し、少しずつ構文の知識を身につけていくしかなく、ソフトウェア開発の設計や開発に関わる体験をするハードルが極めて高かった。しかし、ChatGPTの登場はその壁を取り払い、プログラミング初心者にソフトウェア開発の本質的な部分をいきなり体験させることを可能にしている。

このような学習体験は、プログラミングだけで起こるわけではないはずだ。何かを学びたい人にとって、ChatGPTは新たな学び方や、新しい窓口を提供してくれる。著者の100日を追うことで、その可能性を実感できるだろう。

著者

大塚あみ(おおつか あみ)
2001年、愛知県豊橋市生まれ。2024年3月に大学を卒業、IT企業にソフトウェアエンジニアとして就職。
2023年4月、ChatGPTに触れたことをきっかけにプログラミングに取り組み始める。授業中にChatGPTを使ってゲームアプリを内職で作った経験を、2023年6月の電子情報通信学会・ネットワークソフトウェア研究会にて発表。その発表が評価され、2024年1月の電子情報通信学会・情報ネットワーク研究会における招待講演を依頼される。
その後、2023年10月28日から翌年2月4日まで、毎日プログラミング作品をXに投稿する「#100日チャレンジ」を実施。
その成果を、2024年1月に開催された電子情報通信学会・情報ネットワーク研究会、および電子情報通信学会・ネットワークソフトウェア研究会、2月にスペインで開催された国際学会19th International Conference on Computer Aided Systems Theory(Eurocast2024)にて発表した。
「#100日チャレンジ」の完了を受け、2024年2月、その概要がASCII.jp×デジタルに紹介され大きな反響を呼んだ。また、2024年6月の情報処理学会誌にて「#100日チャレンジ」が紹介された。このほか、2024年9月と10月に、国立情報学研究所(NII)主催の「大学等におけるオンライン教育とデジタル変革に関するサイバーシンポジウム」にて、「#100日チャレンジ」の成果を紹介した。
これらの研究成果に対して、2023年電子情報通信学会ネットワークソフトウェア研究会の「ネットワークソフトウェア若手研究奨励賞」を受賞するとともに、2024年9月に東京で開催された国際会議15th IEEE International Conference on Cognitive Infocommunications(IEEE CogInfoCom 2024)にて発表した論文が審査員特別賞を受賞した。

本書の要点

  • 要点
    1
    サボり癖のある大学4年生だった著者は、授業中に先生の説明そっちのけでChatGPTを使ったゲーム作りをしていた。予想外にそれが先生から褒められたことで、学会発表の機会を得る。
  • 要点
    2
    学会発表は無事に終わったが、自分の技術不足を痛感していた著者は、毎日SNSでプログラミング作品を投稿する「100日チャレンジ」を行うことにする。
  • 要点
    3
    チャレンジを続けるなかで、自分の「サボり癖」はエンジニアとしての「才能」につながっていることに気がついた。このチャレンジは、まさしく著者の人生を変えることとなった。

要約

すべてはサボることから始まった

ChatGPTとの出会い

4月15日、大学4年生の「私」は、授業初日のガイダンスがすでに始まっている教室に遅れて到着した。講師の佐々木先生が単位取得の条件と評価基準について説明しているのを聞くと、この授業はいわゆる「楽単」のようだった。それを確認した私は、安心してスマホを見始めた。

その日佐々木先生は、「ChatGPT」というツールについて説明した。授業後の課題は「ChatGPTを使って何をしたいか?」。そこで、ChatGPTを使って「怠け癖がある大学生が仕方なく書いたレポート」を書かせたところ、予想よりもユーモアに富んだレポートができあがった。軽い気持ちで取り組んだわりに、その面白さに夢中になって時間を忘れてしまうほどだった。

「授業中にゲームを作った学生は初めて見た」
DoggieMonkey/gettyimages

4月29日、佐々木先生の授業のテーマは、プログラミング言語のPythonで簡単なプログラムを作成することだった。「Google Colaboratory(Colab)」を活用し、ウェブブラウザ上でPythonコードを実行する。Excelを自動化するプログラミング(VBA)の経験がある私には、この作業は簡単で、すぐに退屈しはじめた。VBAで数当てゲームを作成したときには、完成までかなり時間がかかった。そこでふと思いついた。

「ChatGPTなら簡単に作れるのでは?」

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要約公開日 2025.03.30
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