グーグル社員はなぜ日曜日に山で過ごすのか
グーグル社員はなぜ日曜日に山で過ごすのか
グーグル社員はなぜ日曜日に山で過ごすのか
出版社
出版日
2025年02月06日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

もし、「明日から会社に来なくていい」と言われたら?

これはたとえ話だが、アメリカでは珍しいことではないようだ。要約者が真っ先に思い出したのは、イーロン・マスク氏によるツイッター社の買収である。一瞬で大勢の従業員が解雇され、中にはパソコンにログインできないことで解雇を知った人もいた。このニュースを聞いたとき、背筋が凍ったのを覚えている。

「世界最高の職場」と名高いグーグルも例外ではない。2023年、1万2000人以上の従業員が突然解雇されたのだ。しかもそれは、深夜3時のメールで知らされたという。いまどれほど良い地位や環境を得ていても、それは永遠ではない。いや、明日には消えてなくなる可能性すらあるのだ。アメリカ人は、そんなヒリヒリとした現実感とともに生きている。

本書は、そうした彼らがどのように気持ちをポジティブに保ち、人生や仕事と向き合っているのかを説いた一冊である。そのキーワードとなるのが「自然」だ。彼らは休日になると山や森、海へと向かう。自然の中で過ごしながら自分と向き合い、ちょっとやそっとでは動じない自分を手に入れるのだ。

また、日常的に瞑想やマインドフルネスを取り入れ、内面のメンテナンスを欠かさない。本書では、アメリカ在住の著者が取材したビジネスエリートの「休み方」や、さまざまなマインドフルネスの実践法を紹介している。

彼らの休み方は、日本のビジネスパーソンにも大いに参考になるはずだ。自身のパフォーマンスを高めるためにも、ぜひ手に取ってみてほしい。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

河原千賀(かわはら ちか)
アメリカ在住ジャーナリスト
大阪生まれ。1988年よりアメリカ在住。大谷大学短期大学部幼児教育学科、カリフォルニア州立大学心理学部卒業、同大学院教育心理学部修士課程修了。アメリカ人と結婚し、3児の母となる。
ロサンゼルスの幼稚園教師として勤務後、フルコミッション制の不動産エージェントに転職。離婚後、
2018年より、ロス・パドレス国立森林公園内の、山々に囲まれたプライベートコミュニティに在住。
星空の美しい自然の中で、人間として最高な人生とは何かを研究し、人間力を回復するための数々の活動を行なっている。本書が初めての著書。

本書の要点

  • 要点
    1
    アメリカのビジネスエリートは、「何があっても大丈夫」な自分を創り、仕事以外に「生きがい」を見出すため、休暇を自然の中で過ごしている。
  • 要点
    2
    「デジタルデトックス」で自由な時間を生み出し、創造的な活動をしよう。朝起きたら頭の中に浮かんだことを書き出していくと、眠っていた創造性が解き放たれる。
  • 要点
    3
    成功者たちは瞑想をしている。瞑想をすることで自分の優先すべきことが明確になり、より多くの時間を生み出せるからだ。
  • 要点
    4
    週に120分自然の中で過ごせば、健康が向上し認知能力も高まる。

要約

「何が起きても大丈夫」でいるために

深夜3時の解雇メール

グーグルは「ベストな働き場」として世界中に知られている。豊かな自然に囲まれた敷地、健康的な食事を摂れるビュッフェ、自由な服装、ワーク・ライフ・バランスを考慮した休暇制度など、余りあるほど魅力的な職場環境を提供している。

しかし、それは一瞬にして奪われることもある。2023年、グーグルが1万2000人以上の従業員をレイオフしたニュースを知っているだろうか。解雇は「深夜3時に1通のメール」で通達され、スタッフは驚きを隠せなかった。グーグルは2024年4月末までにさらなる人員整理を進め、その中には組織のコア人材や有能なエンジニアも含まれていた。

昨日まで一緒に働いていた同僚や上司が、別れを告げることもなく突然いなくなる――。残された従業員も「明日は我が身」と不安に怯え、ストレスでメンタルを病む人もいた。

休みを「積極的」に取り入れる
svetikd/gettyimages

夢のような職場から、いとも簡単に追い出されてしまう。これはグーグル社員のみならず、誰にでも訪れうる「現実」だ。

いままでのやり方では、これからの時代に対応できない。大企業にいても安定は保証されない。仕事だけではない「イキガイ」を感じながら、充実した人生を送りたい――。

ビジネスエリートたちに、そんな感情が湧き始めた。そのためには「何が起きても大丈夫な自分」を創り、自らをバージョンアップしなければならない。

彼らはそのために、休暇を「積極的」に取り入れ始めた。休日をただ睡眠や疲労回復のために使うのではなく、山で過ごしたり、積極的に自然に触れたりする。アメリカのビジネスエリートの多くは、そのように休暇を過ごしている。

では、彼らは何を求めて山や森へ向かうのだろうか。次の章では、実際に彼らが休日をどう過ごしているのかを紹介する。

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要約公開日 2025.03.31
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