グーグルは「ベストな働き場」として世界中に知られている。豊かな自然に囲まれた敷地、健康的な食事を摂れるビュッフェ、自由な服装、ワーク・ライフ・バランスを考慮した休暇制度など、余りあるほど魅力的な職場環境を提供している。
しかし、それは一瞬にして奪われることもある。2023年、グーグルが1万2000人以上の従業員をレイオフしたニュースを知っているだろうか。解雇は「深夜3時に1通のメール」で通達され、スタッフは驚きを隠せなかった。グーグルは2024年4月末までにさらなる人員整理を進め、その中には組織のコア人材や有能なエンジニアも含まれていた。
昨日まで一緒に働いていた同僚や上司が、別れを告げることもなく突然いなくなる――。残された従業員も「明日は我が身」と不安に怯え、ストレスでメンタルを病む人もいた。
夢のような職場から、いとも簡単に追い出されてしまう。これはグーグル社員のみならず、誰にでも訪れうる「現実」だ。
いままでのやり方では、これからの時代に対応できない。大企業にいても安定は保証されない。仕事だけではない「イキガイ」を感じながら、充実した人生を送りたい――。
ビジネスエリートたちに、そんな感情が湧き始めた。そのためには「何が起きても大丈夫な自分」を創り、自らをバージョンアップしなければならない。
彼らはそのために、休暇を「積極的」に取り入れ始めた。休日をただ睡眠や疲労回復のために使うのではなく、山で過ごしたり、積極的に自然に触れたりする。アメリカのビジネスエリートの多くは、そのように休暇を過ごしている。
では、彼らは何を求めて山や森へ向かうのだろうか。次の章では、実際に彼らが休日をどう過ごしているのかを紹介する。
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