時間のデザイン
時間のデザイン
時間のデザイン
出版社
サンクチュアリ出版

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出版日
2025年01月15日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

使われなかった時間について考えたことがあるだろうか……。

こんな書き出しで始まる本書は、ブックデザイナーである井上新八氏が、時間のデザインについて考える一冊だ。本書の言葉を借りれば、デザインとは、「わかりやすくする」ということ。時間の使い方をわかりやすくしていく本書には、フリーランスとして働き続けてきた著者が、個人的な実践から編み出した人生の戦略が詰まっている。

著者がデザインする本は多いときで年間200冊。アシスタントなしで常時30件ほどの仕事を並行させながら働いているというのだから、1日中忙しく仕事ばかりしているのではないかと想像してしまうが、まったくそんなことはない。時間をデザインしたことで「1日が2倍になった」という著者の1日は、「2倍」という言葉が誇張に感じられないほど、充実感に溢れている。仕事は常に締め切り前倒しで終わらせ、毎日1冊の本を読み、運動、ドラマやアニメの視聴、マンガやゲームも欠かさない。さらには、独学で毎日ダンスの練習まではじめたという。ここには挙げきれないほどのたくさんの活動を、著者は「毎日」行なっている。

どうしたらそんなことができるのか。ポイントは「習慣化」だ。やりたいことをやる時間がないという話はよく聞くが、著者はやりたいことなら少しでもいいから毎日やろうとする。これが積み重なって、最終的には大きな成果につながっている。

時間をデザインすることは、あなたのありたい人生をデザインすることだ。本書とともに、「自分は何を毎日やりたいか」と考えてみよう。

ライター画像
池田友美

著者

井上新八(いのうえ しんぱち)
ブックデザイナー・習慣家
1973年東京生まれ。
和光大学在学中に飲み屋で知り合ったサンクチュアリ出版の元社長・高橋歩氏に「本のデザインしてみない?」と声をかけられたのをきっかけに、独学でブックデザイン業をはじめる。大学卒業後、新聞社で編集者を務めたのち、2001年に独立してフリーランスのデザイナーに。自宅でアシスタントもなくひとりで年間200冊近くの本をデザインする。趣味は継続。それから映画と酒とドラマとアニメとちょっぴりゲームとマンガ。あと掃除とダンスと納豆と短歌。年に一度、新宿ゴールデン街で写真展を開催している。2013年に初の著書『「やりたいこと」も「やるべきこと」も全部できる! 続ける思考』を出版。本作が2作目の著書となる。
デザインした主な書籍に『夜回り先生』『覚悟の磨き方』『カメラはじめます!』『学びを結果に変えるアウトプット大全』『ぜったいにおしちゃダメ?』『虚無レシピ』『自分とか、ないから。』(サンクチュアリ出版)、『機嫌のデザイン』(ダイヤモンド社)、『SHOーTIME大谷翔平メジャー120年の歴史を変えた男』(徳間書店)、『はじめる習慣』(日経BP)、『こうやって、考える。』(PHP研究所)、『運動脳』『糖質疲労』(サンマーク出版)など、ベストセラー多数。
書籍の帯を広くしてたくさん文字を掲載する、棒人間(ピクトグラム)を使う、カバーに海外の子どもの写真を使う、和書も翻訳書のように見せる、どんなジャンルの本もビジネス書風に見せるなど、主にビジネス書のデザインという小さな世界で流行をつくってきた。

本書の要点

  • 要点
    1
    人間は毎日やれば続けられる。ルーティーンを徹底して時間をデザインすることで、自分の理想の生活を実現できる。
  • 要点
    2
    時間をデザインするには、必要なことすべてを「習慣化」するといい。6つのコツを使って、自分に合ったルーティーンを作っていこう。
  • 要点
    3
    時間のデザインをする際は、「鬼速でやる」「圧倒的に数をこなす」「無駄なことをとことんやる」という3つのルールを意識するといい。

要約

時間をデザインするきっかけ

フリーランスとして生きる

著者の仕事はブックデザイナー。普通なら4〜5人で分担する仕事量を請け負って、自宅で20年以上ひとりで働き続けている。

自分のペースで仕事ができるなんてうらやましいと言ってもらえることもあるが、フリーランスは楽じゃない。多いときで年間200冊の本をデザインしているが、装丁(表紙・カバーまわり)だけの仕事だとしても、依頼から作業完了まで早くて3週間、通常で1ヵ月半〜2ヵ月かかる。これをだいたい30冊、多いときは50冊ほど同時進行している。

ひとりで仕事をしているから、誰にも頼れないし、ちょっとした雑用も全部自分でやらないといけない。わからないことを聞く相手もいないし、体調を崩しても納期を守るためになんとかするしかない。

フリーになって何年か経って、仕事が増えすぎて気づいたら毎日ボロボロで、全身がじんましんで腫れ上がって、救急病院に駆け込んだこともあった。もう仕事を減らすしかないかと思ったが、減らしたくなかった。その上で、映画も見たい、マンガも読みたい、ゲームもしたい、飲みにも行きたい。減らすのではなく、増やせるだけ増やしたい。

これを可能にする方法があった。その気づきを与えてくれたのは1本のゲームだった。

すべては「どうぶつの森」が教えてくれた
romrodinka/gettyimages

「時間をデザイン」しようと考えはじめるきっかけになったのは、ニンテンドーDSの「おいでよ どうぶつの森」というゲームだった。このゲームの発売日である2005年11月23日に手に入れて以来、およそ9年間、毎日やっていた。どれだけ忙しくても、旅行先でも、じんましんで病院に行った翌日も、毎日だ。

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要約公開日 2025.03.06
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