記憶力超大全
東大式
記憶力超大全
著者
記憶力超大全
出版社
総合法令出版

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出版日
2024年12月19日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

人の顔と名前を覚えられない。資格試験の用語の暗記に苦労している。

そんなふうに、「もっと記憶力があったら!」と思ったことが誰にでもあるはずだ。自分は記憶力が悪いから……と諦めている人がいたら、本書の出番だ。

著者である青木健氏は、「メモリーアスリート」と呼ばれる、記憶力を競う競技メモリースポーツの選手だ。そんな人はきっと生まれつき記憶力が抜群で、試験でも苦労したことがないのだろうと想像するかもしれないが、実際はそうではない。著者は大学受験では浪人を経験し、メモリースポーツをはじめたのは大学に進学してから。そして、日本一になり、世界大会へ3度出場するまでに、記憶力を鍛え上げている。

そんな著者が、本書ではさまざまな記憶に関する悩みを解決できる100の方法をまとめている。記憶に関する研究成果を引用しながら、記憶力は訓練で鍛えられることを示し、そのための方法を紹介している。人の顔と名前を覚えるための具体的な手法や、試験勉強に使えるスケジュールの立て方など、シーン別に使えるメソッドが満載だ。

本書によれば、記憶力を向上させるために、生まれつきの才能はほとんど関係ないし、年齢を重ねても記憶力はそれほど低下しない。だとすれば、今から新しいことをはじめるのに、何の支障もないはずだ。記憶について理解を深めることで、仕事のパフォーマンス向上がねらえることはもちろん、自分の可能性を広げることもできるだろう。

ライター画像
池田友美

著者

青木健(あおき たける)
株式会社メモアカ代表取締役CEO
日本メモリースポーツ協会会長
東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻修了。記憶力日本チャンピオン。世界記憶力グランドマスター。大学4年時に記憶力日本選手権大会で優勝し、日本チャンピオンに。その後、さまざまな国際大会で好成績を収める。大学卒業後、株式会社福音館書店を経て、現職。株式会社メモアカでは、記憶術のオンライン学習サービス「メモアカ」など、記憶のサービスを提供している。
著書に『記憶力日本チャンピオンの超効率 すごい記憶術』『東大式 頭の回転が100倍速くなるドリル』(総合法令出版)、『記憶王が伝授する 場所法 英単語』(三省堂)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    一般に「記憶力が良い=生まれつきの才能」と思われがちだが、遺伝と教育環境の相関性に関する研究によれば、記憶力の遺伝要素はそれほど高くない。環境やトレーニングによって、記憶力は十分に向上させることができる。
  • 要点
    2
    「顔は見たことがあるけど誰だっけ?」という状況が発生するのは、今までに見たことがあるかどうかを判断する「再認記憶」はできているが、完璧に思い出すことができる「再生記憶」にはなっていないためだ。
  • 要点
    3
    何かを覚えるとき、記憶術を使っても、復習なしで長期間覚えておくことは難しい。学習計画は、復習込みで立てるのが望ましい。

要約

【必読ポイント!】 知っているだけで得をする記憶の話

記憶力に才能はほとんど関係ない

記憶力が良いと有利なことはたくさんある。試験勉強や日常生活のちょっとした用事、ビジネスシーンまで、記憶力は多くのことに活用可能だ。実際、メモリーアスリートである著者は、競技で結果を出すことはもちろん、受験や資格試験、短期間での語学習得にも、記憶力を役立てている。

「自分も記憶力がよかったらなぁ……」と諦めている方に伝えたいのは、メモリーアスリートは生まれつき記憶力が良かったわけではないということだ。著者はメモリースポーツで日本一になり、世界大会へも出場経験があるが、メモリースポーツをはじめたのは大学に入学してからだ。

記憶力に才能はほとんど関係ない。双子による遺伝と教育環境の相関性について研究している慶應義塾大学の安藤寿康氏の研究成果によれば、音楽や運動能力は才能によるものが大きい一方で、記憶力の遺伝要素は6割程度である。遺伝要素や才能要素がまったく関係ないとは言えないが、記憶力には生活環境や努力が大きく影響する。こう考えると、ちょっとやってみようかなという気にならないだろうか。

脳トレと記憶力の関係
siraanamwong/gettyimages

誰もが一度はやったことのあるはずの「筋力トレーニング」。筋トレを継続してしばらくすると、体に大きな変化が出る。運動時のパワーやスピードも上がっていくはずだ。

同じように「脳トレ」をすると記憶力や計算力などが高まっていく。普段から記憶力に関するトレーニングを行っている人は、脳が強くなり、たくさんのことを覚えても疲れにくくなるし、長時間勉強することもできるようになる。

脳トレをすれば、能力が上がるだけでなく、自分の「頭」に自信が持てるようになる。そうなれば、勉強やビジネスなどの知的活動に対する姿勢が変わるはずだ。

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要約公開日 2025.03.12
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