記憶力が良いと有利なことはたくさんある。試験勉強や日常生活のちょっとした用事、ビジネスシーンまで、記憶力は多くのことに活用可能だ。実際、メモリーアスリートである著者は、競技で結果を出すことはもちろん、受験や資格試験、短期間での語学習得にも、記憶力を役立てている。
「自分も記憶力がよかったらなぁ……」と諦めている方に伝えたいのは、メモリーアスリートは生まれつき記憶力が良かったわけではないということだ。著者はメモリースポーツで日本一になり、世界大会へも出場経験があるが、メモリースポーツをはじめたのは大学に入学してからだ。
記憶力に才能はほとんど関係ない。双子による遺伝と教育環境の相関性について研究している慶應義塾大学の安藤寿康氏の研究成果によれば、音楽や運動能力は才能によるものが大きい一方で、記憶力の遺伝要素は6割程度である。遺伝要素や才能要素がまったく関係ないとは言えないが、記憶力には生活環境や努力が大きく影響する。こう考えると、ちょっとやってみようかなという気にならないだろうか。
誰もが一度はやったことのあるはずの「筋力トレーニング」。筋トレを継続してしばらくすると、体に大きな変化が出る。運動時のパワーやスピードも上がっていくはずだ。
同じように「脳トレ」をすると記憶力や計算力などが高まっていく。普段から記憶力に関するトレーニングを行っている人は、脳が強くなり、たくさんのことを覚えても疲れにくくなるし、長時間勉強することもできるようになる。
脳トレをすれば、能力が上がるだけでなく、自分の「頭」に自信が持てるようになる。そうなれば、勉強やビジネスなどの知的活動に対する姿勢が変わるはずだ。
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