人に侮られたり、軽く扱われたりしないようにするためには、まず「見た目」をきちんと整えることが大切である。見た目がちゃんとしていれば、私たちは案外堂々としていられるからだ。
このことを裏づける興味深い実験がある。オーストラリアにあるニューサウスウェールズ大学のカンディス・ブレイクが行った、自己主張に関する実験だ。
ブレイクは、159名の女子大学生をランダムに2つのグループに分けた。そして、片方のグループには「実験当日は魅力的な服装とメイクをしてくるように」、もう一方のグループには「家にいるときのような服装とノーメイクで」と伝えた。
その後、両グループに自己主張テストを行ったところ、見た目をばっちり整えてきたグループの方が高得点だった。
この実験結果から言えるのは、会話のテクニックを学ぶ前に、まず見た目を整えることが重要だということである。自信を持てるような恰好をするだけで、人は物おじしなくなり、言いたいことを言えるマインドセットができるのである。
「言われっぱなしで終わりたくない」と思うなら、切り返しの言葉をあらかじめ考え、リハーサルしておく必要がある。何ごとも「ぶっつけ本番」ではうまくいかない。
米国ウィスコンシン大学のリチャード・マクフォールは、言いたいことを口に出せず悩んでいる人々を集めた。そして、「映画のチケットを購入する列に並んでいるとき、割り込んできた人がいたらどう声をかけるか?」などの状況でどう言えばいいかを考えさせ、そのセリフをリハーサルしてもらった。
その後、日常生活で同じような状況に直面した際、彼らがどのように対応したかを確認したところ、リハーサルをした人の約63%がうまく意思を伝えることができたという。
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