うまく「聞ける人」と「聞けていない人」の習慣
うまく「聞ける人」と「聞けていない人」の習慣
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うまく「聞ける人」と「聞けていない人」の習慣
出版社
明日香出版社

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出版日
2025年01月17日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

会話では、「聞き手」と「話し手」のどちらが主導権を握っているのだろうか。多くの人は「話し手」が会話をリードしていると考えがちだが、著者はそれを「間違いではない」としながらも、「話し手は思っている以上に聞き手からの影響を受けている」と述べる。

「誰かに話したい!」と感じるような出来事に遭遇しても、話した相手の反応がよくないと、「実はこれ、面白くなかったかも……」と自信をなくしてしまうことがある。長年コミュニケーションに関する講演や研修を手掛けてきた著者も、「聴講者の状態によって、“話しやすさ”は大きく変わってくる」と述べている。つまり、コミュニケーションがうまくいくかどうかは、「聞き手」にかかっていると言っても過言ではない。

では、よい聞き手になるにはどうしたらいいか。本書には、多様な視点から聞き手に求められる基本的なポイントや、話し手に安心感を与えるテクニックがまとめられている。その中には、昨今爆発的に機会が増えたオンラインコミュニケーションについてのトピックもある。親しい友人や知人はもちろん、ビジネスシーンで発生する会話など、多くのシチュエーションで役立つことは間違いない。

本音を引き出す、会話を盛り上げる、相手の感情に寄り添うなど、本書を読めばさまざまなコミュニケーションのコツを会得できるはずだ。ぜひ多くのビジネスパーソンに手に取っていただきたい。

著者

山本衣奈子(やまもと えなこ)
E-ComWorks株式会社代表
産業カウンセラー、認定心理士、伝わる表現アドバイザー

高校時代から演劇に没頭し、大学在学中にロンドン大学に演劇留学。演劇を通して、人間心理や会話を通じたコミュニケーションのあり方に深い興味を抱くようになる。卒業後はサービス業から接客、受付、営業、秘書、クレーム応対等の業務にて30社以上に勤務。発信力を認められてプレゼンテーションの中心役を担ったり、傾聴力を買われてクレーム応対の前線を担当したりといった経験を重ね、様々な現場で身につけた伝える力と聞く力を駆使し、「もっと分かり合えるコミュニケーション」方法を確立。2010年に独立し、講師として全国に伝え続けている。年間180回近い企業研修・講演を行う現在、総受講者数は5万人を超え、そのリピート率は、業界屈指の8割を誇る。
講演や研修だけでなく、カウンセラーや相談役として人の話を聴き相手の心に寄り添う活動も数多く行っている。その傾聴力は各業界でも高く評価され、著名人やスポーツ選手との対談も多数担当、指名で依頼されるMCとしても活躍中。
著書に、『「気がきく人」と「気がきかない人」の習慣』(明日香出版社)、『「言ってしまった」「やってしまった」をリカバリーするコツ』(日本実業出版社)がある。

本書の要点

  • 要点
    1
    「ねえ、聞いてる?」と言われないようにするには、相手の心を「聴く」意識が必要だ。
  • 要点
    2
    ネガティブな話に応答する際は、まず「共感」から入ろう。前向きな言葉をかけるのは、相手の心が上向きになってからだ。
  • 要点
    3
    会話を弾ませるためには「へー」「そうなんだ」で終わらせず、「プラスアルファの言葉」を添えよう。
  • 要点
    4
    コミュニケーションに「上下関係」は存在しない。相手の上に立とうとしないで、「横から接する」意識で話そう。
  • 要点
    5
    会話中の「沈黙」を恐れる必要はない。相手が黙るのは「考え中」だからだ。

要約

聞き上手になるための基本

「相手の話」に集中する

「聴く」と「聞く」は、似ているようだが少し違う。前者が「心」を聴いているのに対し、後者は単に「音」を聞いている。相手に「ねえ、聞いてる?」と言われないようにするには、「聴く」意識を持つことが大切だ。

人間は、気を付けていないと意識があちこちに飛んでしまう。相手の話を聞きながら、それとは無関係なことを考えてしまった経験は誰にでもあるだろう。

特に多いのは、「次に自分が何を言うか」を考えてしまうことだ。相手が話している最中に「次はこれを話そう」と考えていると、当然ながら相手の話は頭に入ってこない。「聴く」ことと「考える」ことは同時にできないからだ。

そのようなときは、「聴く」姿勢を取り戻そう。何を話そうか考えるのは、自分の番が来てからでも遅くはない。

全身で相手の話を聞く
mixetto/gettyimages

オンライン環境では、なぜ話しにくいのだろうか。その大きな理由は、「相手の反応が分かりにくい」ことにある。聞く側はマイクをオフにして参加することが多いため、反応は視覚的なものだけになる。

しかし相手は画面越しにいるため、テレビを見ているかのように、ただ“眺めている”状態になりやすい。そのためオンラインでは、通常よりも積極的にリアクションを取る必要がある。

リアル・オンラインに限らず、相手に安心感を与えるためには「全身を使って」聞くことが大切だ。まずは、話に合わせて手を叩いたり組み合わせたり、頭をかかえたりしてみよう。手を少し動かすだけでも、会話のしやすさが変わってくるはずだ。

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要約公開日 2025.02.26
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