私たちの日常は「当たり前」であふれている。お金持ちになっても、いつかそれは「当たり前」になってしまう。幸せの基準がいつの間にか高くなり、目の前の現実が当たり前になると、幸せはいつも自分の一歩先にあるように感じてしまう。
「自分の幸せとは何か」がわかっていて、「日常の有り難さ」を自然に感じられる。そして、たとえピンチに直面しても「何が起きても、ありがとう」と思える状態が、「感謝脳」なのだ。
「感謝」を感じるには、4つの心理学的条件を満たさなければならない。
まず、「恩恵の認識」だ。自分が受け取った恩恵は、自分以外の人や自然など、外から与えられているということを理解していること。
2つ目は、「恩恵の価値認識」である。自分が得た恩恵には高い価値があると認識していること。3つ目は、恩恵をもたらしてくれた相手の気持ちや好意を感じ取れている「恩恵の好意認識」。最後は、享受した「良いこと」には見返りが不要だということを知っている「見返りの不要認識」だ。
いただいたモノや情報に対して感謝し、それを与えてくれた相手の優しい気持ちにも感謝する。「感謝脳」はこの積み重ねでつくられていくのだ。
感謝には大きく4つの効果がある。「心の健康」「身体の健康」「仕事の向上」、そして「会社の改善」だ。ここでは「心の健康」と「身体の健康」について解説したい。
「心の健康」でもっとも顕著なのは睡眠の改善だ。健康のコツは、何と言っても「睡眠、運動、朝散歩」である。「感謝の気持ち」は睡眠の質、睡眠時間、寝付きなど、睡眠全般を改善する。
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