感情的にならず相手を「すぐやる人」にする34のコツ
感情的にならず相手を「すぐやる人」にする34のコツ
感情的にならず相手を「すぐやる人」にする34のコツ
出版社
かんき出版

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出版日
2024年12月02日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「あとでやります」

そうは言うものの、やる気配が全くない。

そんな「先延ばし人間」にイライラした経験はないだろうか。なんとか動いてもらおうと、説得したり、注意したりしても、なかなか動いてもらえないと、ストレスは溜まる一方だ。職場の人、子ども、パートナーなど、身近な人たちが、自分のお願いしたことをすぐにやってくれるようになったら、どんなに楽だろう。

本書は、「相手が動いてくれない」という悩みを解消するヒントを、アドラー心理学や脳科学に基づいて提案している。著者は、目標実現の専門家・大平信孝氏だ。flierでも人気の著者である大平氏が手がけた本書は、発売前に海外翻訳が決定するほどの注目の一冊だ。

著者によれば、相手が動いてくれずにイライラしてしまうのは、そもそも自分が相手に勝手な期待をかけていることが原因だ。「自分ができること」と「相手にしかできないこと」の境界線が見えなくなり、自分がコントロールできないことを解決しようとすると、うまくいかずにイライラしてしまうのだ。

「自分の課題」と「他人の課題」を区別することができるようになれば、「相手が動けるようになるためにできること」に考えがシフトしていく。そこに、人を動かすヒントがある。

難しいテクニックは必要ない。言い方や考え方を少し変えるだけで状況は変わる。ぜひ本書を読んで、円満に相手を動かすコツを手に入れていただきたい。

ライター画像
中山寒稀

著者

大平信孝(おおひら のぶたか)
◎――株式会社アンカリング・イノベーション代表取締役。目標実現の専門家。メンタルコーチ。中央大学卒業。長野県出身。
◎――脳科学とアドラー心理学を組み合わせた、独自の目標実現法「行動イノベーション」を開発。卓越したアプローチによって、これまで2万人以上の課題を解決してきたほか、オリンピアン、トップモデル、ベストセラー作家、経営者など各界で活躍する人々の目標実現・行動革新をサポート。再現性のあるメソッドが話題となり、テレビ、ラジオ、雑誌など、メディアからの取材依頼多数。
◎――法人向けに「セルフリーダーシップ」「チームマネジメント」「先延ばし撃退」をテーマに研修を提供。現在は、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトン・ジャパン合同会社のマネジャー向けコーチング研修を継続的に担当している。一方、個人向けに、起業家、士業、リーダーのためのコーチングスクール「NEXT」を主宰。
◎――13冊の著作の累計発行部数は58万部を超え、中国、台湾、韓国、タイ、ベトナムなど海外でも広く翻訳されている。著書に、25万部を超えるベストセラーとなった『やる気に頼らず「すぐやる人」になる37のコツ』や『指示待ち部下が自ら考え動き出す!』(ともにかんき出版刊)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    相手を動かすために信頼関係は不可欠だ。いつものやりとりに少し工夫するだけで、相手との信頼関係を築くことができる。
  • 要点
    2
    「相手を否定すること」と「自分が一方的に話す」ことが「先延ばし人間」をつくる。
  • 要点
    3
    頼みごとを後回しにされないためには、行動の主導権を相手に委ねるのが効果的だ。そうすることで、相手に主体性が芽生えてくる。
  • 要点
    4
    「ピグマリオン効果」により、人は期待されると期待通りの成果を出そうとする。その結果、成績や業績が伸びる傾向がある。

要約

【必読ポイント!】 信頼関係を深めるコミュニケーション

どんなときでもまず「認める」
Iuliia Anisimova/gettyimages

頼んだことをすぐにやってもらうためには、相手との信頼関係が不可欠だ。どんなにスキルや考え方を身につけても、信頼関係がなければ人は動かない。信頼関係を築くのは難しく思えるかもしれないが、いつものやりとりを少し工夫するだけで、相手との関係を深めることができる。

まず試してほしいのは、相手を否定せずに、どんなときでも「認める」ことだ。相手を先延ばし人間にする方法の1つは、「相手を否定する」ことである。誰だって、自分の言動を否定されたら、嫌になってしまう。相手が動いてくれないことに悩んでいる人は、「だから言ったよね」「やるって言ったじゃない」などの「否定の相槌」を打っていないか、日々の言動を振り返ってみよう。相手を否定している人のほとんどは、相手に期待し変わってほしいと思うからこそ、「善意の否定」をしている。だからこそ、自分の言動が原因で相手が動けなくなっていることに気づきづらいのだ。言った側にとっては些細な相槌のつもりでも、否定された側はやる気や自信を失ってしまう。

「否定の相槌」の代わりに取り入れたいのが、「そうなんだ」「そういう気持ちなんだね」といった「肯定の相槌」だ。相手の言っていることが間違っているときにまで「肯定の相槌」はできないと言う人がいるが、「肯定の相槌」は必ずしも相手の話へ同意や共感を示すものではない。これはあくまで、「あなたは、そう思ったんですね」と相手の話を受け止め、相手が言っていることや感じたことを「受け取りました」という合図である。

「肯定の相槌」により、相手が「すぐやる人」に変わるわけではない。しかし、「肯定の相槌」を続けていくことで、相手がこちらの気持ちを受け入れる素地ができていくはずだ。

相手に話させると、行動スイッチが入る

相手を先延ばし人間にさせるもう1つの方法が、「自分が一方的に話す」ことだ。相手を思うがゆえに行動するメリットや先延ばしにするデメリット、効率的なやり方、経験など、長々と話してしまった経験はないだろうか。よかれと思って話したことであっても、一方的な話は相手の行動力を奪うことになる。

人は聞くよりも話すほうが行動につながりやすい。話していくうちに自分の考えが明確になったり、整理されたりして、気持ちを切り替えることにつながるからだ。相手の話を長々聞かされても、聞き手の考えは整理されないし、気持ちの切り替えにもならない。むしろストレスが溜まり、動く気がなくなってしまうことさえある。その結果、話す側のやる気は高まり、聞き手のやる気はなくなるというミスマッチが起きてしまうのだ。

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要約公開日 2025.02.13
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