世界の一流は「休日」に何をしているのか
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世界の一流は「休日」に何をしているのか
出版社
クロスメディア・パブリッシング

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出版日
2024年11月11日
評点
総合
3.7
明瞭性
3.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

あなたは休日をどのように過ごしているだろう。アラームをかけずにゆっくり寝た後、ソファでスマホを眺めながらダラダラ過ごし、気づけば夜……そんな休日が日常になっている人も多いのではないだろうか。

本書の著者、越川慎司氏は『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』などのベストセラーで知られる経営者だ。かつてはマイクロソフトの役員で、現在は週休3日・リモートワーク・複業(専業禁止)というユニークな働き方を実践する株式会社クロスリバーの代表取締役として、800社以上の働き方改革を支援している。

本書ではそんな越川氏が、これまで交流してきたエグゼクティブたちの「休み方」をまとめた一冊だ。越川氏によると、エグゼクティブたちは、休日を「何もしない時間」ではなく「積極的にエネルギーをチャージする時間」(休養)と「知的エネルギーを蓄える時間」(教養)と位置づけているそうだ。より具体的に言うと、趣味や好きなことをしたり、家族や友人と過ごしたり、読書をしたりしているという。

本書の表紙には「年収が上がる週末の過ごし方」というキャッチコピーが踊っている。1週間7日のうち2日をダラダラと過ごしてしまうのはもったいない。さっそく次の休日から、エグゼクティブになったつもりで過ごしてみてはどうだろう。本書で紹介されている過ごし方があなたにとって当たり前のものになった頃、自然と年収アップが叶っているかもしれない。

著者

越川慎司(こしかわ しんじ)
株式会社クロスリバー 代表取締役
国内外の通信会社に勤務した後、2005年にマイクロソフト米国本社に入社。業務執行役員としてPowerPointやExcel、Microsoft Teamsなどの事業責任者を歴任する。2017年に株式会社クロスリバーを設立。世界各地に分散したメンバーが週休3日・リモートワーク・複業(専業禁止)をしながら800社以上の働き方改革を支援。京都大学など教育機関で講師を務める他、企業や団体のアドバイザーを務める。オンライン講演・講座は年間300件以上、受講者満足度は平均96%。フジテレビ「ホンマでっか!?TV」などメディア出演多数。Voicy「トップ5%社員の習慣ラジオ」が好評放送中。著書に『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)、『仕事は初速が9割』(クロスメディア・パブリッシング刊)など。著書累計31冊。

本書の要点

  • 要点
    1
    一流たちの休日の過ごし方には、2つの共通点がある。「土日の休日を次の1週間を成功に導くための準備期間と考えていること」と「身体と心、脳のリフレッシュを図り、次の1週間に向けてエネルギーをチャージしていること」だ。
  • 要点
    2
    世界の一流は、簡単な目標を設定して小さな達成感を得る、新しいことにチャレンジする、人とのつながりを大切にする、自己省察(せいさつ)の時間を持つ、という4つのアプローチを通して、休日に自己効力感を高めている。
  • 要点
    3
    エグゼクティブたちは、土曜日を「チャレンジデー」、日曜日を「リフレッシュデー」と位置づけて、休養と教養を実現している。

要約

【必読ポイント!】 一流ビジネスパーソンの「休み方」の基本

「疲れたら休む」ではなく「疲れる前に休む」
oatawa/gettyimages

世界のトップクラスのビジネスパーソンと接する中で、著者が最も衝撃を受けたのは、休日に対する姿勢だった。日本のビジネスパーソンは、休日を、平日の疲れを癒す「休息の時間」と捉えている。一方で、世界のビジネスパーソンにとっては休日こそが人生の中心であり、平日の仕事はその充実した休日を支えるためにあるのだ。

彼らの行動を観察すると、疲れたから休むのではなく、疲れる前に計画的に休んでいることがわかった。日本の多くのビジネスパーソンは、仕事の進捗を見ながら「今週は休めそうだな」「この調子だと休日出勤だな」と判断するのが一般的だろう。ところが世界の一流たちは、週末の休みを前提として仕事を効率的に進める姿勢を貫いている。「休めたら休む」のではなく「休むために仕事をする」という考え方が基本にあるのだ。

自分を疲弊させるまで働いてしまうと、回復に時間がかかるだけでなく、体調を崩すリスクも高まる。その結果、仕事自体が滞ってしまう可能性さえある。

さらに注目すべき点は、彼らの休日の過ごし方だ。日本では土日を疲労回復のための「休息日」と捉える人が多いが、世界のエグゼクティブたちはスポーツや趣味、キャンプ、バーベキューなどを楽しみ、休日をアクティブに過ごしている。日本人が「静」で体を癒すのに対し、世界の一流は「動」を通じたリフレッシュも取り入れているのだ。

「ワーク・ライフ・ハーモニー」を目指す

著者が執行役員を務めていたマイクロソフトには、約300人ものバイスプレジデントが在籍している。彼らの休日の過ごし方には、共通する大きな特徴が2つあった。

1つ目は、土日を次の1週間を成功させるための「準備期間」と位置付け、自己再生(本来の自分を取り戻すこと)を意識している点である。

もう1つは、スポーツや趣味、家族や友人とのバーベキューやキャンプを楽しむことで、身体・心・脳をリフレッシュし、次の週に向けてエネルギーをチャージしている点だ。

彼らは、休日を楽しむことを通じて、自己再生とエネルギーチャージという2つの目的を達成していた。そして「充実した休日を過ごすことで、仕事の成果が上がる」→「成果が上がれば、休日が楽しくなる」→「休日が楽しくなれば、さらに成果がアップする」というサイクルを作り出し、人生そのものを楽しんでいるように見える。

彼らが休日に実践しているのは、次の5つである。

1つ目は、休日と仕事を切り離すこと。仕事のことを完全に忘れ、スポーツや趣味に没頭することで、身体・心・脳をリセットしている。

2つ目は、エネルギーを再充電して創造性や集中力を高めること。休日を満喫し、ストレスを軽減することで、創造性や集中力を高め、長期的なパフォーマンスの向上を目指している。

3つ目は、デジタルデトックスの時間を作ること。メールやSNSから離れて仕事のプレッシャーを忘れ、リラックスしている。

4つ目は、健康管理を徹底すること。軽い有酸素運動をはじめ、健康的な食事、十分な睡眠、適度な運動が休日のルーティンに組み込まれている。

5つ目は、良好な人間関係を維持すること。家族や親しい友人との時間を大切にし、つながりを深めている。

エグゼクティブたちが目指しているのは「ワーク・ライフ・ハーモニー」(仕事と生活の調和)の実現だ。仕事と私生活を対立するものではなく、相互に支え合う関係と捉え、どちらも高いクオリティを維持しようとしている。その中心的な役割を果たしているのが「休日」なのだ。

「脳」を休ませる5つの習慣
SrdjanPav/gettyimages

世界のトップクラスのビジネスパーソンは、身体やメンタルのコンディションだけでなく、脳を休めることにも細心の注意を払っている。具体的に彼らが実践しているのは、次の5つである。

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要約公開日 2025.02.18
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