悩み事があれば、いらない用紙やノートに書き出してみよう。これは、「メンタル・ライティング」と呼ばれるライフハックだ。紙に書き出すと、客観的に悩みに向き合えるようになる。
米国ウェイン州立大学のローリー・ワーナーは、12歳から17歳のぜんそく患者50人を対象に、メンタル・ライティングの効果検証を行った。片方のグループには3日間、ストレスに感じたことを日記に書いてもらい、もう片方のグループには、別のテーマを与えて書いてもらった。すると2か月後、メンタル・ライティングを行ったグループは、ぜんそくの症状が大幅に改善したことが明らかになった。紙に書き出すことで、ストレスが軽減したのだろう。
マドリード自治大学のパブロ・ブリノールによると、私たちの感情は目に見えないが、紙に書き出すことで問題や気持ちを外在化することができるという。外在化によって、心理的な感情のゴミを物質的なゴミと同じように扱うことができるからだ。
悩みを書き終えたら、その紙をビリビリに破ってゴミ箱に捨ててしまおう。そうすることで、驚くほど心がスッキリするだろう。
自分の悪い行動を変えたいなら、記録をとるのが効果的だ。たとえば「最近、お酒を飲みすぎている」というときは、飲酒量を毎日記録していくと行動に変化が起きる。これは「レコーディング・テクニック」と呼ばれる手法だ。
フィンランドにあるタンペレ大学のアーニャ・コスキ=ヤネスは、飲酒の習慣がある343人に、毎日の飲酒量を特別なウェブサイトに入力してもらった。すると3か月後には驚くほど飲酒量が減少し、半年後や1年後の追跡調査でも増加することはなかった。
それまでは無自覚でやっていたことも、記録をとることで少し意識するようになる。悪い行動も、ごく自然に変えていくことができるのだ。
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