人前での話し方は、「どう話すのか」(デリバリー)と「何を話すのか」(コンテンツ)の2つで決まる。コミュニケーションで決定的な役割を果たすのは前者だ。
人の身体からは、「ソーシャルキュー」と呼ばれる無数の信号が発信されている。「何を話すのか」はコミュニケーションの本質である。だが、相手の心証を形成する際には、ジェスチャーや姿勢、アイコンタクトなど言葉以外の情報のほうが、インパクトが強い。
堂々と人前で話すためのボディーランゲージのポイントは、声と目と手の3つである。ここでは声についてのポイントを紹介する。
そもそも、声が大きい=聞き取りやすいというわけではない。話すスピードに関しては、一般的にはテンポのよいスピードを著者はすすめている。現在は、多くの人が倍速でYouTubeやNetflixを視聴する時代だ。同じ時間で多くの内容を聞くことを好む「タイパ志向」の人が増えている。現にあまりにゆっくり話を聞かされると、脳が飽きてしまう。
こうした背景から、最近はスピード感を持って話す人の方が頭の回転が速く説得力があると見られる傾向にある。まくし立てるように話すのではなく、相手を飽きさせないスピード感を意識したい。
ポイントは、スピード、高さ、大きさ、抑揚、間を工夫して、いかに声にメリハリをつけるかである。例えば、声の高さによって、相手に与える印象を変えることができる。高い声は親しみやすさを、低い声は威厳や力強さを表す。与えたい印象によって、声の高低をコントロールできれば上級者だ。
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