成果を上げるプレイングマネジャーは「これ」をやらない
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出版社
フォレスト出版

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出版日
2025年01月05日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

常に高いパフォーマンスを出せるチームをつくり、安定的に成果を上げたい――。これは多くのプレイングマネジャーに共通する願いだろう。だが、この目的に向かってがむしゃらに奮闘した結果、あまりの忙しさにストレスを溜めてしまっていないだろうか。

本書の著者、中尾隆一郎氏はリクルート出身の経営者だ。同社では子会社の代表や執行役員を歴任し、スーモカウンター推進室室長時代には、6年間で売上を30倍、店舗数12倍、従業員数を5倍にした実績を持つ。現在は株式会社中尾マネジメント研究所の代表取締役社長として、経営者塾の運営や業績向上コンサルティングをはじめ、幅広い分野で活躍している。

中尾氏は「『プレイングマネジャー』を無理ゲーから助けたい」という想いで本書を執筆したという。プレイングマネジャーは、プレイング業務の増加、タイムマネジメントの厳格化、新業務増加への対応、上司の無理なあるいは曖昧な要望、メンバーへの対応の高度化、本人のマネジメント力の不足という「6つの圧力」に苦しみ、無理ゲー状態に陥っている。この状態から抜け出すためには、常識を疑い、当たり前にやっていることを「やめる」「絞る」「見直す」作業によって、時間を生み出さなければならない。これが本書の主張である。

本書では、やめる・絞る・見直すノウハウが非常に具体的に提案されている。これ一冊読めば、効率よく成果を上げるためのヒントが得られ、無理ゲー状態から脱出できるだろう。

著者

中尾隆一郎(なかお りゅういちろう)
株式会社中尾マネジメント研究所(NMI)代表取締役社長
株式会社LIFULL取締役。LiNKX株式会社取締役。
1964年生まれ。大阪府摂津市出身。1989年大阪大学大学院工学研究科修士課程修了。同年、株式会社リクルート入社。2018年まで29年間同社勤務。2019年NMI設立。NMIの業務内容は、①業績向上コンサルティング、②経営者塾(中尾塾)、③経営者メンター、④講演・ワークショップ、⑤書籍執筆・出版。専門は、事業執行、事業開発、マーケティング、人材採用、組織創り、KPIマネジメント、経営者育成、リーダー育成、OJTマネジメント、G‐POPマネジメント、管理会計など。
著書に『最高の結果を出すKPIマネジメント』『最高の結果を出すKPI実践ノート』『自分で考えて動く社員が育つOJTマネジメント』『最高の成果を生み出すビジネススキル・プリンシプル』(フォレスト出版)、『「数字で考える」は武器になる』『1000人のエリートを育てた 爆伸びマネジメント』(かんき出版)など多数。Business Insider Japanで「自律思考を鍛える」を連載中。
リクルート時代での29年間(1989年〜2018年)では、主に住宅、テクノロジー、人材、ダイバーシティ、研究領域に従事。リクルートテクノロジーズ代表取締役社長、リクルート住まいカンパニー執行役員、リクルートワークス研究所副所長などを歴任。住宅領域の新規事業であるスーモカウンター推進室室長時代に、6年間で売上を30倍、店舗数12倍、従業員数を5倍にした立役者。リクルートテクノロジーズ社長時代は、リクルートが掲げた「ITで勝つ」を、優秀なIT人材の大量採用、早期活躍、低離職により実現。約11年間、リクルートグループの社内勉強会において「KPI」「数字の読み方」の講師を担当、人気講座となる。

本書の要点

  • 要点
    1
    プレイングマネジャーを無理ゲー状態から解放するためには、「やめる」「絞る」「見直す」という3つのアプローチが有効だ。
  • 要点
    2
    やめるべき対象は、定期的な1on1、手間がかかる目標管理、そして会議の生産性を下げる7つのことである。
  • 要点
    3
    MAT、30MR、9BOXという3つのツールを順に使ってフォローすべき「ヒト」を絞れば、プレイングマネジャーの仕事を減らせる。
  • 要点
    4
    G‐POP®シートを使った報告・振り返り習慣を取り入れると、メンバーが自律自転し始める。

要約

プレイングマネジャーを苦しめる「無理ゲー」

解放のカギは「やめる」「絞る」「見直す」

現在の管理職は悲惨な状態にある。プレイング業務の増加、タイムマネジメントの厳格化、新業務増加への対応、上司の無理あるいは曖昧な要望、メンバーへの対応の高度化、本人のマネジメント不足という6つの圧力が管理職に無理ゲーを強いており、成果を上げにくくなっているのだ。

プレイングマネジャーを無理ゲーから解放するために、本書では「やめる」「絞る」「見直す」という3つのアプローチを提案する。

【必読ポイント!】 やめる

定期的な1on1をやめる

プレイングマネジャーがやめるべき仕事は3つある。

1つ目は「定期的な1on1」だ。定期的な1on1には4つの弊害があるからだ。

弊害(1)は「上司の仕事を増やす」。メンバーが困りごとを相談してきた瞬間、その解決が上司の仕事になる。

弊害(2)は「噂話で上司のモチベーションを低下させる」。1on1はクローズドな場であるため、噂話や悪口を言いやすい。噂話や悪口を聞いたマネジャーは人間関係に配慮しなければいけなくなり、モチベーションと生産性が下がる。

弊害(3)は「チーム会議の活性化を阻害する」。メンバーが「何か言いたいことがあっても、1on1で相談をすればよい」と考えるようになり、定例会議が機能しなくなる。

弊害(4)は「全体のコミュニケーションに時間がかかり、質が低下する」。チーム会議が機能しないと、常に1on1でコミュニケーションを取ることになり、やりとりに時間がかかってしまう。

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要約公開日 2025.03.04
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