投資はギャンブルである。通常、お金が増えるのは、働いたときと他人から奪ったときだけだ。そのため、どんな投資も最終的には「ゼロサムゲーム」、つまり勝者の利益と敗者の損失の差分がゼロになる。
長期投資では、一見パイが拡大しているように見えるが、それはバブルが発生しているからだ。バブルは必ずはじける。いま私たちは人類史上最大のバブルに直面しており、その先にはバブル崩壊、つまり大暴落が待っている。
私自身、これまでさまざまな投資をしてきた。しかし、投資を勧められるのは「割安な時」だけだ。いま日経平均は史上最高値を更新し、不動産価格も急上昇している。現に、東京23区の新築マンション価格は2年連続で1億円を超えた。
投資家でアナリストのエミン・ユマルズ氏によれば、「世界経済はエブリシング・バブル」だという。バブルとは、特定のセクターが部分的に過熱状態になる現象であり、1980年代の日本の「バブル経済」は不動産バブルであった。
一方、現在の世界経済は「あらゆるセクターがバブル」という状況にある。リーマン・ショック以降、世界中で量的金融緩和が続けられたことに加え、コロナ禍では金融緩和と財政出動が行われた。その結果、膨大な量のマネーが市場に流入し、あらゆる資産がバブル化してしまった。つまり、「エブリシング・バブル」が起きているのである。
現在の世界は、世界恐慌が発生する直前の1920年代と状況が酷似している。
当時、アメリカでは自動車と家電のバブルが発生していた。その頃のアメリカ産自動車は世界最強であり、家電製品も世界中の人々が憧れるトップブランドであった。
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