結局、会社は思うように動かない。
結局、会社は思うように動かない。
上手に働く人の社内コミュニケーション
結局、会社は思うように動かない。
出版社
総合法令出版

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出版日
2025年02月20日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

「こんなに頑張っているのに、どうして評価されないんだろう」と悩む人が本書を読めば、自分の「頑張り方」が間違っていたことに気づくかもしれない。

本書の著者、下地寛也氏は、コクヨ株式会社のワークスタイルコンサルタントだ。入社してから約20年間、現場目線でのコミュニケーションと課題解決に取り組んだ。現在は、コーポレートコミュニケーション室室長として活躍しつつ、豊富な実務経験を生かして、組織におけるコミュニケーションや働き方改革の理論と実践を独自に体系化し発信している。

本書で下地氏は「優秀な人が持っている3つの視点」として、会社のアルゴリズム、相手の思考パターン、仕事のツボ、の3つを提唱する。会社のアルゴリズムは、会社がどのような優先順位や判断基準で動いているのかという全体像。相手の思考パターンは、会社で働く人の価値観やモチベーション、人どうしの関係性。そして仕事のツボは、仕事のやりとりにおいて「陥りやすいダメパターン」と「押さえておくべきポイント」を意味する。これら3つを押さえておけば、コミュニケーションや意思決定、行動がスムーズになるそうだ。

本書では3つの視点に紐づいて、さまざまなアドバイスがまとめられている。頑張っているのに思うような成果が出ない人はもちろん、これから社会人になる人や若手ビジネスパーソンが読めば、少ない努力で大きな成果を出せるようになるだろう。

著者

下地寛也(しもじ かんや)
コクヨ株式会社 ワークスタイルコンサルタント
エスケイブレイン代表
1969年神戸市生まれ。1992年文房具・オフィス家具メーカーのコクヨ株式会社に入社。
約20年間、顧客向けの営業および商品・サービス提案に従事し、現場目線でのコミュニケーションと課題解決に取り組む。その後、経営企画、業務改善、広報、社内風土改革など多岐にわたる社内業務を担当。現在は、コーポレートコミュニケーション室室長として、社内外の情報発信やブランド戦略、組織風土改革の推進をリードしている。
その実務経験を生かし、組織におけるコミュニケーションや働き方改革の理論と実践を独自に体系化。「組織のアルゴリズム」と「人の思考パターン」を軸にした社内コミュニケーション改善の手法は、多くの企業で注目を集めている。
同時に、新しい働き方を模索して複業ワーカー(エスケイブレイン代表) としてビジネススキルに関するセミナーや講演、YouTube動画配信などの活動も積極的に行っている。
主な著書に『考える人のメモの技術』(ダイヤモンド社)、『プレゼンの語彙力』(KADOKAWA)、『一発OKが出る資料 簡単につくるコツ』(三笠書房)、『「しやすい」の作りかた』(サンマーク出版) などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    仕事ができる人は、自分の戦うべき土俵を理解し、自分が「コントロールできるところ」の改善に注力している。
  • 要点
    2
    社内には「ポジションパワー」と「パーソナルパワー」という2種類の力がある。誰がどのようなパワーを持っているのか知ることで、提案や相談がスムーズに通りやすくなる。また、周囲の人に前向きに動いてもらうためには、自分のパーソナルパワーを磨いていく必要がある。
  • 要点
    3
    自分の「怒られパターン」と上司の価値観を把握すれば、同じミスを繰り返さずに済む。

要約

仕事のコミュニケーションの基本

主目的は「未来に向けた意思決定」

仕事のコミュニケーションと日常のコミュニケーションにおけるもっとも大きな違いは、向いている方向だ。

日常のコミュニケーションは「過去」を向いており、「昨日こんなことがあった」「実はこんな大変なことが起きた」というように、過去の出来事を中心に展開される。主目的は「感情の共有」だ。

一方で、仕事のコミュニケーションは「未来」を向いており、「この課題にはどう対応する?」「来月の売上目標はどうする?」「来期の戦略はどのように考えている?」といった話し合いを通して、未来の行動を合意するために展開される。主目的は「未来に向けた意思決定」だ。

戦う土俵を理解するための3つのポイント
FangXiaNuo/gettyimages

仕事ができる人は、自分の戦うべき土俵を理解している。つまり、自分が「コントロールできるところ」と「できないところ」を見極め、「コントロールできるところ」の改善に注力しているのだ。

戦う土俵を理解するためのポイントは3つだ。

1つ目は「会社のアルゴリズム」。会社がどのような優先順位や判断基準で動いているのかという全体像だ。

2つ目は「相手の思考パターン」。上司や同僚などの会社で働く人の価値観やモチベーション、人どうしの関係性だ。相手の言動の背後にあるパターンを考え、次の動きを予測できれば、先回りして行動できる。

3つ目は「仕事のツボ」。仕事のポイントを押さえれば、ストレスなく意思決定できるようになる。

コミュニケーションにおいては、もちろんテクニックも必要だ。しかしそれよりも「自分たちが乗っている船がどのような仕組みで動いているのか」「船に乗っている人はどのような考えで働いているのか」「日々の航行をするためのやりとりにはどのようなものがあるのか」といった前提を押さえるほうがもっと大切なのだ。

本書では、会社のアルゴリズム、相手の思考パターン、仕事のツボという3つのポイントについてそれぞれ解説している。

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要約公開日 2025.04.14
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