休職と復職の教科書
未来のキャリアを守る
休職と復職の教科書
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出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2025年01月26日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

最近なぜか気分が落ち込みがちで、寝つきが悪い。体調も悪く、このままでは業務を続けられそうにない。しばらく休んだほうがいいのだろうが、休職というと大げさになりそうだ。仕事がまわらなくなるし、これからのキャリアに響くだろうか――。本書はそんな人にすぐ読んでほしい一冊だ。

本書の著者、武神健之氏はメンタルヘルスのプロフェッショナルだ。日本医師会認定産業医であり、一般社団法人日本ストレスチェック協会の代表理事でもある。これまで、大手外資系企業を中心に、年間1000件以上、延べ1万人以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を実施してきた。

本書ではそんな武神氏が、メンタル不調の基礎知識に加え、休職の準備と休職中の過ごし方において「やってほしいこと」と「やらないでほしいこと」を丁寧に教えてくれる。

心身の不調に気づいていても、すぐに休職という選択を取れる人は決して多くないだろう。自分の仕事はどうなるのか、これからのキャリアで不利になるのではないかと不安になって当然だ。だが武神氏は本書で「自分の不調を受け入れ、向き合い、うまく制度を利用すれば、適切な『休職』は、むしろあなたの未来のキャリアを守る選択なのです」と断言している。

メンタル不調当事者はもちろん、その家族、上司、同僚にあたる人や、人事、経営層にもぜひ読んでほしい一冊である。いま健康に働けている人も、転ばぬ先の杖として、本書を一読しておくことを勧めたい。

著者

武神健之(たけがみ けんじ)
医学博士、日本医師会認定産業医。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。ドイツ銀行グループ、バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ、ムーディーズ、フォルクスワーゲングループ、BMWグループ、エリクソンジャパン、テンプル大学日本校、アドビージャパン、テスラ、S&Pといった大手外資系企業を中心に、年間1000件以上の健康相談やストレス・メンタルヘルス相談を実施。働く人の「こころとからだ」の健康管理を手伝う。2014年6月には、一般社団法人日本ストレスチェック協会を設立し、「不安とストレスに上手に対処するための技術」、「落ち込まないための手法」などを説いている。
主な著書に、『職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書』(きずな出版)、『不安やストレスに悩まされない人が身につけている7つの習慣』(産学社)、『外資系エリート1万人をみてきた産業医が教える メンタルが強い人の習慣』(PHP研究所)などがある。

本書の要点

  • 要点
    1
    休職している社員には、大きく分けて「休息期」「回復期」「復職準備期」という3つの時期があると考えられる。
  • 要点
    2
    休息期は、短い人で1か月、長い人では3か月以上に及ぶ。この時期には、しっかり休んでエネルギーを充電することが最優先だ。
  • 要点
    3
    回復期に最も大切なのは、趣味を楽しむことだ。好きなことをしていると気持ちが前向きになるし、よく食べられて、よく眠れる。さらに、復職後の気分転換としても役立つ。
  • 要点
    4
    復職準備期には「好きなことを続ける」「社会とのかかわりを少しずつ増やす」「通勤や日常生活のリズムづくり」の3つを意識したい。

要約

まず知っておきたいこと

ストレスによる症状・行動の変化

からだの病気は健康診断や人間ドックによってある程度発見できるが、自分のこころの状態には自分で気がつくしかない。

ここでは、ストレスによって出る精神症状と身体症状、そして行動の変化を見ていこう。

ストレスによる精神症状は、やる気が出ない、何をするにも億劫だ、なんとなく気持ちが沈む、イライラする、憂鬱な気分、喪失感、焦り、集中力の低下、などだ。目に見えないので気づきにくく、対処しにくい。

一方、ストレス反応としての身体症状はわかりやすい。寝付けない、夜中に目が覚めるなど睡眠に関するものが一番多く、そのほかには、涙が出る、食欲がない、性欲がない、腹痛、腰痛、めまい、動悸などがある。

周りから見て最もわかりやすいのは、行動の変化だ。お酒やタバコの量が増える、過食や拒食、ギャンブル、衝動買い、登校拒否・出社拒否、ひきこもりなどが一般的だ。職場では、遅刻や早退、欠勤が増えたり、集中力が低下してミスを連発したり、仕事に時間がかかるため時間外労働や休日出勤が増えたりといった変化が見られる。

眠れないからといって即座にうつ病だと考える必要はない。ただ、原因不明の不調が続くときは、メンタルヘルスの問題である可能性も検討してみよう。また、周囲や医者に相談して「それって精神的なことじゃない?」と言われたときに「そういうこともあるのかな」と思える余裕を持っておくことも大切だ。

医者選びのポイント
bmanzurova/gettyimages

医者に相談するのは早いほうがいい。その理由は2つある。

1つ目は、早期に治療を開始したほうが治るのも早いからだ。仮に治療開始が2か月遅れたとすると、回復するのは2か月遅れどころか、もっと時間がかかる。

2つ目は、相性の合う良い医者を見つけてほしいからだ。医者を探すのにはそれなりに気力と体力を使う。少しでも元気があるタイミングから医者選びをスタートしてほしい。

医者の探し方でおすすめの方法は、2つのメンタルクリニックを受診して比較し、自分に合うところを見つけること。薬などに対する自分の価値観を伝え、それを尊重してくれる医者を選ぼう。

診療方針や相性以外にも、大切な基準が2つある。

1つ目の基準はアクセスだ。自分の家から会社の方向に向かったターミナル駅付近で探すことをおすすめする。休職や転職をしても通いやすく、自分と似た属性の患者が通っている可能性が高いからだ。

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要約公開日 2025.04.03
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