人生は、捨て。
人生は、捨て。
自由に生きるための47の秘訣
人生は、捨て。
出版社
出版日
2025年01月31日
評点
総合
3.7
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
3.5
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おすすめポイント

あなたの人生は“ときめき”で満たされているだろうか? イエスと断言できる人は決して多くないだろう。生活のためだけに続けている仕事、違和感を抱くようになった人間関係、ピンとこない衣類が押し込まれたクローゼット……こうした“ときめかないもの”でいっぱいになっているのが、一般的な人の生活であろうと思う。

本書の著者、川原卓巳氏は、近藤麻理恵氏のマネジメントと“こんまりメソッド”の世界展開を手がけてきたプロデューサーだ。著者の人生が変わったのは「初めて麻理恵さんの片づけの現場に見学に行ったときのこと」。「麻理恵さんの片づけ法は、単なる片づけではない」と気づき、こんまりメソッドを拡げるために、会社員をやめると決めた。キャリアだけではない。人脈も収入も、いつか政治家になるという夢も、住み慣れた日本さえも捨て、活動拠点をアメリカに移したそうだ。

本書ではそんな著者が、自分のときめきに従って本当に必要なもののみにリソースをそそぐことで、より充実した人生を送る方法を語っている。第1章で捨てることの大切さを述べた後、章ごとに捨てる対象が変わり、モノ、人間関係、お金、そして自分について、捨てるべき理由や具体的なメソッドが示される。

あなたもこの本を読みながら、「自分にとって本当に大切なものは何か」「何をどう捨てていくか」と考え込むことになるだろう。その思考は痛みを伴うかもしれないが、未来には今よりももっと幸せな人生が待っていることを忘れないでほしい。

著者

川原卓巳 (かわはら たくみ)
1984年広島県生口島生まれ。プロデューサー。
大学卒業後、人材系コンサルティング会社に入社し、のべ5000人以上のビジネスパーソンのキャリアコンサルティングや、企業向けのビジネス構築・人材戦略を手がける。
2013年に同社を退職し、近藤麻理恵のマネジメントと“こんまりメソッド”の世界展開をプロデュース。近藤の著書『人生がときめく片づけの魔法』シリーズを世界累計1400万部の大ベストセラーに導いた。
2016年に活動拠点をアメリカに移し、「KonMari」ブランドの構築をさらに拡大させるとともに、日本発コンテンツの海外展開にも注力。
2021年公開のNetflixオリジナルドキュメンタリー「KonMari “もっと”人生がときめく片づけの魔法(Sparking joy with Marie Kondo)」でエグゼクティブプロデューサーを務め、デイタイム・エミー賞を受賞する。
2023年、「川原卓巳 プロデュースの学校」を設立し、グローバルに活躍するプロデューサー人材の育成に取り組んでいる。
著書に『Be Yourself 自分らしく輝いて人生を変える教科書』(ダイヤモンド社)、『川原卓巳 プロデュースの学校〈上・下〉』(匠書房)。YouTubeチャンネル『川原卓巳のオモテでする裏側の話』を配信中。

本書の要点

  • 要点
    1
    仕事や人間関係を含め、ときめかないものを放置しているのは、人生を捨てているのと同じだ。不必要なものはどんどん捨て、自分にとって本当に大切なものだけにエネルギーや時間、お金を使ってこそ、豊かな人生が送れる。
  • 要点
    2
    モノを捨てられない理由は「過去への執着」と「未来への不安」の2つだ。片づけを進めていった先には「過去への執着」も「未来への不安」もない「いまに集中できた自分」が残る。
  • 要点
    3
    想像をはるかに超えた人生は、自分を捨てた先にある。なにかにのめり込んで生きてみよう。

要約

【必読ポイント!】 大事なのは「捨てること」

本当に大切なものだけ残せばいい
pixelfit/gettyimages

人生において大事なのは、なにかを得ようとすることではなく、捨てることだ。不要なモノや立場、環境、人間関係などを捨てれば、暮らしはより充実し、より豊かになっていく。

いまあなたが手にしているものは、そのすべてが本当になくてはならないものだろうか? きっとそうではないはずだ。やりたいことではない仕事も、もう使わない仕事道具や小物や服も、一緒にいて疲れてしまう人間関係も、あなたの人生には必要ない。それらを放置しているかぎり、人生は決して充実しない。

「人生は不満があるのが当たり前」と思っている人がほとんどだろうが、行動を起こせばたいていの問題は解決できるし、もっと幸せになれる。いまの仕事がつまらないなら、新たな道を探せばいいだけだ。

そう指摘すると、決まって「とはいえ」という言葉が返ってくる。「とはいえ、いますぐは無理です」「とはいえ、いろいろ難しい」「とはいえ、お金がないんです」「とはいえ、本当にやれるのか自信がありません」……そうして不満を受け入れているうちに、不満が日常になり、疑問を抱くことさえなくなってしまう。それは自分の人生を捨てているのと同じことだ。

そろそろ、人生を捨てるのをやめよう。「本当に必要なもの」と「実は不必要なもの」を区別して、不必要なものは潔く捨てる。そして、自分にとって本当に大切なものだけに、エネルギーや時間、お金というかけがえのない資源を使う。その先にこそ、本当に豊かな人生があるのだ。

人生の判断基準を変えた、ある事件

著者と妻の近藤麻理恵さんは、数年前から生活の拠点をアメリカの田舎に移し、そこで3人の子どもたちとともに暮らしている。

仕事だけを考えれば、都会の中心地にとどまるほうが有利だった。しかし著者と麻理恵さんは、仕事が軌道に乗れば乗るほど、あえてブレーキを踏むという選択をしてきた。

2019年にNetflixで麻理恵さんの片づけ法を取り上げたドキュメンタリー番組が配信され、世界中から大量のオファーが舞い込んだときも、大半の仕事をお断りした。どれほどのビジネスチャンスであっても、家族との時間を守ることが最優先だったからだ。

このような生き方をするようになったのは、ある事件がきっかけだった。

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要約公開日 2025.04.22
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