人生において大事なのは、なにかを得ようとすることではなく、捨てることだ。不要なモノや立場、環境、人間関係などを捨てれば、暮らしはより充実し、より豊かになっていく。
いまあなたが手にしているものは、そのすべてが本当になくてはならないものだろうか? きっとそうではないはずだ。やりたいことではない仕事も、もう使わない仕事道具や小物や服も、一緒にいて疲れてしまう人間関係も、あなたの人生には必要ない。それらを放置しているかぎり、人生は決して充実しない。
「人生は不満があるのが当たり前」と思っている人がほとんどだろうが、行動を起こせばたいていの問題は解決できるし、もっと幸せになれる。いまの仕事がつまらないなら、新たな道を探せばいいだけだ。
そう指摘すると、決まって「とはいえ」という言葉が返ってくる。「とはいえ、いますぐは無理です」「とはいえ、いろいろ難しい」「とはいえ、お金がないんです」「とはいえ、本当にやれるのか自信がありません」……そうして不満を受け入れているうちに、不満が日常になり、疑問を抱くことさえなくなってしまう。それは自分の人生を捨てているのと同じことだ。
そろそろ、人生を捨てるのをやめよう。「本当に必要なもの」と「実は不必要なもの」を区別して、不必要なものは潔く捨てる。そして、自分にとって本当に大切なものだけに、エネルギーや時間、お金というかけがえのない資源を使う。その先にこそ、本当に豊かな人生があるのだ。
著者と妻の近藤麻理恵さんは、数年前から生活の拠点をアメリカの田舎に移し、そこで3人の子どもたちとともに暮らしている。
仕事だけを考えれば、都会の中心地にとどまるほうが有利だった。しかし著者と麻理恵さんは、仕事が軌道に乗れば乗るほど、あえてブレーキを踏むという選択をしてきた。
2019年にNetflixで麻理恵さんの片づけ法を取り上げたドキュメンタリー番組が配信され、世界中から大量のオファーが舞い込んだときも、大半の仕事をお断りした。どれほどのビジネスチャンスであっても、家族との時間を守ることが最優先だったからだ。
このような生き方をするようになったのは、ある事件がきっかけだった。
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