会社のホームページはどんどん変えなさい

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会社のホームページはどんどん変えなさい
出版社
出版日
2016年10月30日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

インターネットで気軽に買い物ができるのが日常となった現在、自社のホームページが売上に与える影響も大きくなってきた。ほしいプロダクトやサービスをキーワード検索すれば、同じような価格で同じようなサービスを提供している企業がズラリと並んでいる。多くの企業から選んでもらうには、顧客のニーズにマッチしたホームページが欠かせない。しかし、その重要性を認識しながらも、ホームページを作っただけで満足している企業も多いのではないだろうか。

顧客に選ばれ、売上につながるホームページの秘訣は、ホームページ訪問者の反応をもとに、頻繁に改善を行うことだと著者は言う。本書では、まずホームページの持つ力を発揮できていない原因が解き明かされていく。つづいて、ホームページの問題点を把握する方法と、現状分析に基づいて、ホームページをさらに良くするための方法について、わかりやすい図表とともに詳しく解説されている。さて、著者の提唱する方法を実践した企業はどうなったか。なんとその93%のホームページで過去最高売上を更新しているというのだから、試さない手はない。

ホームページを持っているだけで更新が止まっている企業の方、今度こそウェブマーケティングで成果を出したいと思いつつも、具体的な方法論がわからず一歩を踏み出せていなかった方に、ぜひ読んでいただきたい実用度満点の1冊である。

ライター画像
渡辺智美

著者

石嶋 洋平(いしじま ようへい)
1981 年生まれ。日本大学文理学部卒業。広告代理店勤務を経て、2009 年に株式会社ミスターフュージョンを設立し、代表取締役に就任。有名アーティストや有名企業のソーシャルメディアキャンペーン立案やWeb プロデュースを手がける一方でWeb マーケティングコンサルタントとして企業のアクセス解析を行い、幅広い業種業界でのWeb サイトの改善実績を持つ。また、SEM コンサルタントとしても評価されており、2012 年6-9月度Google「Excellent PerformerAward」最優秀賞、2012 年下半期Yahoo! JAPAN プロモーション広告「新規代理店賞第1 位」を受賞した。これら約70 億円のプロモーションで知り得たノウハウをもとに、「プロセスマネジメント大学」WEB 講座の講師や、国内外を問わず実施するWeb マーケティング関連のセミナー講演回数は、年間50 件以上にのぼる。他には、ユーザビリティ改善ツール「ゴーストレック」の開発も行うなど、その活動は多岐にわたる。現在は、海外にも活動拠点を拡大し、次世代のWebマーケッター育成活動に取り組んでいる。
著書『ホームページで売上があがる会社、あがらない会社、何が違うか』(あさ出版)は、芥川賞を受賞した『火花』をおさえて、Amazon 書籍部門総合1位を2日連続で獲得。また、紀伊國屋書店チェーンのインターネットビジネス書部門で、2015 年の年間ランキング11位になるなど異例の大ヒットとなった。

本書の要点

  • 要点
    1
    ホームページを何の目的のために作るのかを明確にすることが第一である。ホームページは実店舗のインターネット上の支店と位置付けるとよい。
  • 要点
    2
    売れるホームページをつくるにはアクセスログの解析が必須となる。グーグルアナリティクスを利用すると便利である。
  • 要点
    3
    ホームページは作成して終了ではない。訪問者の反応に応じて仮説検証と改善をくり返すことで、コンバージョン率を高められる。

要約

ホームページの売上があがらない理由

ホームページを実店舗と同じ位置付けにする

リアルビジネスもネットビジネスも本質的には同じである。なぜならホームページには見込み客(新規顧客)の獲得、会社・商品・サービスの知名度アップ、売上アップ、実店舗への誘導、既存顧客のリピートオーダー、社員の採用、アフターフォローといったさまざまな機能を持たせることができるからだ。また、ホームページも実店舗も、立ち上げてからが勝負という点でも性質が似ている。

しかしホームページの売上が悪い会社の社長は、リアルビジネスとネットビジネスを切り離して考える傾向にあり、ホームページに対する期待度が低い。これがホームページで売上があがらない主な原因だと考えられる。ホームページを実店舗のインターネット上の支店ととらえ、定期的に更新しなければならない。

ホームページ専任担当者の必要性
Rawpixel Ltd/iStock/Thinkstock

ホームページを自社で作成できない場合には、ホームページ制作会社に外注する必要がある。その際は自社の中に、ホームページを担当するウェブマーケティング担当者をおき、制作会社との橋渡し役を担ってもらうとよい。

ホームページ担当者を決めるうえでの重要なポイントは、マーケティングセンスのある人を選ぶこと、社長が率先して関わること、他の仕事との兼任ではなく専任にすることの3つである。ついパソコンに詳しい人を担当にしてしまいがちであるが、ホームページをインターネット上の支店と位置付けるなら、支店の売上に貢献できる営業センスのある人が適任といえる。また、ホームページ運用は、他の業務の片手間でできるような仕事ではないので、専任のほうが望ましい。

ホームページ制作会社に丸投げしてはいけない

ホームページ制作会社はホームページ制作のプロではあるが、「売れる」ホームページ制作のプロではない。売れるホームページを制作するためには、どのようなお客様にどのような商品をどのように販売し、どんな接客をすればいいのかを知っている必要がある。しかし、一般に制作会社はそのようなノウハウを持っていない。よって、ホームページ制作会社に丸投げしてしまってはいけない。

また、「安い」という理由だけでホームページ制作会社を選んではいけない。会社の売上を伸ばしてくれるかどうかを判断基準にすべきである。具体的なポイントとしては、マーケティングへの理解や設計能力があること、ホームページ制作のノウハウを公開してくれること、スピードに対応できる体制があることなどが挙げられる。

【必読ポイント!】 ホームページの「健康診断」をする

ホームページ改善の一歩は、現状を知ること
WDnet/iStock/Thinkstock

「未来を語る前に今の現実を知らなければならない。なぜならば常に現実からスタートすることが不可欠だからである。」これは現代経営学の発明者ピーター・ドラッカーの言葉であり、ホームページ制作においても当てはまる。

ホームページの改善にあたっては、ホームページの訪問者数・売上や利用しているお客様の特性といった現状を把握することが欠かせない。そのうえで、競合他社のホームページの分析を行うことも重要となってくる。なぜなら、競合他社の動向を把握し、競合他社の戦略をさらに上回って市場のニーズに対応することで、シェアの拡大が可能となるためだ。

アクセスログ解析の役割

アクセスログ解析とは、ホームページにアクセスした訪問者の情報を解析することである。ホームページでは閲覧数、訪問者数、どのような経路をたどっているか、どこの検索ツールからホームページにたどり着いたか、どのようなキーワードを検索してホームページを訪問しているのかなどが記録されている。

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要約公開日 2017.07.13
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