会社で活躍する人が辞めないしくみの表紙

会社で活躍する人が辞めないしくみ


本書の要点

  • 現在、多くの会社が、多額の費用をかけて人材紹介会社に依頼をする、採用広告を出すなど、新規採用には力を入れている一方で、できる社員・辞める社員の流出については、「いい人だったが残念だった」で終わってしまい、その原因究明がしっかりと行われていない。

  • 「できる社員が辞めないで働くにはなにが必要なのか」についても、社員の側、会社の側、時代の流れなど、いろいろな角度から考える必要がある。

  • 「会社で活躍する人が辞めないしくみ」とは、1つの手法によるものではなく、感情的で人間性あふれる人と人とのつながりである。

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【必読ポイント!】 会社のしくみ

社員には「安定」よりも「安心」を

stokkete/iStock/Thinkstock

著者は、会社の仕組みとして 「安心」を与えることを重要視している。「安心」は心が落ち着いていることで、「安定」は変動のないことである。「安定」して変動がない状態においては、新しいことに無関心になってしまい、変化に対応できる体質ではなくなってしまうが、「安心」が無くなったら、いつも心配事ばかりという状態になり、目の前の業務に集中することができない。会社は、社員を「安定(固定)」させてはいけないが、「安心」を与えないといけない、というのが著者の主張である。そして、安心とは、お金、働く環境(事務所・PCなどのハードと、理念・目標などのソフトの両方が必要)などから成り立つものであるとしているまた、会社の仕組みとして、マニュアルを作る意義が大きいと著者は主張する。マニュアルは、(1)仕事のノウハウのマニュアル、(2)チームの運営方針のマニュアル、の2点が重要であると考えられている。これらマニュアルの作成によって次の効果が得られる。①部長と課長の指示が相反するなど、指示系統の混乱が解消し、人間関係で仕事を辞めるリスクが軽減される。②マニュアルを作成する際に、マニュアルを作成する層のコミュニケーションが活性化する。③ブラックボックスとなっていたノウハウを明文化することで、特定の社員に仕事を依存することを防ぎ、特定の社員が退職した際のリスクを軽減できる。

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職場環境

前向きに働ける雰囲気をつくる

nineeak/iStock/Thinkstock

第2パラグラフでは、職場環境に焦点が当てられている。「前向きに働ける雰囲気をつくる」ために著者が重要と考えていることとして、(1)会社のゴールを社員と共有する(2)プロジェクトをつくり一体感を生む(3)働く場所にこだわる(4)コミュニケーションの場を意図的に用意する(5)当たり前が徹底した文化をつくる(6)社員の安全に気を配る、などが挙げられている。

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要約公開日 2014.03.18
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