著者は、会社の仕組みとして 「安心」を与えることを重要視している。
「安心」は心が落ち着いていることで、「安定」は変動のないことである。
「安定」して変動がない状態においては、新しいことに無関心になってしまい、変化に対応できる体質ではなくなってしまうが、「安心」が無くなったら、いつも心配事ばかりという状態になり、目の前の業務に集中することができない。会社は、社員を「安定(固定)」させてはいけないが、「安心」を与えないといけない、というのが著者の主張である。そして、安心とは、お金、働く環境(事務所・PCなどのハードと、理念・目標などのソフトの両方が必要)などから成り立つものであるとしている
また、会社の仕組みとして、マニュアルを作る意義が大きいと著者は主張する。マニュアルは、(1)仕事のノウハウのマニュアル、(2)チームの運営方針のマニュアル、の2点が重要であると考えられている。これらマニュアルの作成によって次の効果が得られる。
①部長と課長の指示が相反するなど、指示系統の混乱が解消し、人間関係で仕事を辞めるリスクが軽減される。
②マニュアルを作成する際に、マニュアルを作成する層のコミュニケーションが活性化する。
③ブラックボックスとなっていたノウハウを明文化することで、特定の社員に仕事を依存することを防ぎ、特定の社員が退職した際のリスクを軽減できる。
第2パラグラフでは、職場環境に焦点が当てられている。
「前向きに働ける雰囲気をつくる」ために著者が重要と考えていることとして、
(1)会社のゴールを社員と共有する
(2)プロジェクトをつくり一体感を生む
(3)働く場所にこだわる
(4)コミュニケーションの場を意図的に用意する
(5)当たり前が徹底した文化をつくる
(6)社員の安全に気を配る、
などが挙げられている。
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