本書は、本気で生き抜くための助言が記された5章に序章と終章を加えた全7章構成となっている。ハイライトでは山元氏の情熱あふれる言葉のなかから、特に本書の主張を構成する部分を紹介したい。
第1章のタイトルは「成し遂げる人は、まず自分を疑う」というものだ。自分が思うような方向に物事が進まないとき、自分にとって良くないことに巻き込まれたとき、あなたは「自分原因説」で考えてみたことはあるだろうか。
とある自動車関連製品の経営者から、販売店の売上が落ちているので改革をやりたいという相談を山元氏が受けたことがあるという。その経営者はいかに販売店の士気が上がらないか、営業力と個々のスキルが足りないかについて頭を悩ませていた。
しかし、山元氏はそれらに対する施策を述べるのではなく、この経営者自身の魅力・眼力が落ちているのが本当の課題なのではないか、と考えた。会話するときの一つひとつの単語や、歩き方や姿勢、アイデアなどあらゆる面で魅力・眼力が低下することで、相手の心をつかめなくなっている。にもかかわらず、そこには触れずに、まわりにだけ責任を負わせるのは筋が通らない。
大事なことは、まずは自分を疑ってみるということだ。規模の大小は関係なく、リーダーという立場にある人間であれば、すべてが自分の責任と言ってもいい。自分の「To Be」を実現させ、まわりからも認められたいと思っているのなら、常に自分の魅力が落ちていないかをチェックして、魅力を高め続けなければいけないのだ。
出身がエンジニアということもあり、山元氏は常に成功パターンを標準化できないかと考えるクセがあるのだという。
例えば、成功しそうな人を見分けるには、①何があっても「なるほど」と受け止めることができ、自分のものにできる素直さがあること、②会社名を外したら何のプロなのか、自分にしか創造できない価値(身の丈)を理解していること、③人を魅了する笑顔があること、の「3つの基準」のようなルールを適用することで、判断を速くしているそうだ。
人間に与えられた時間は平等に24時間しかない。自分の「To Be」を達成するためには、その時間を中途半端な意味のない浪費にしてはならず、どんなときも判断や行動がブレない基準を持つことが重要だ。
山元氏の場合、色々なところから講演の依頼をもらうなかで、基本的には前向きに考えるそうだが、なかにはあまり気が進まない依頼もあるそうだ。こういった場合、なぜ断るのか、という根拠ある理由(ルール)を基に判断できることが、自分のためにも相手のためにも必要なことと言える。
集客が見込める山元氏を呼んで講演を実現させることと、それに伴う収益だけにしか興味がない人が依頼者であれば、最低限の信頼が築かれないため、その依頼を引き受けることは難しいと判断するのだという。
ドラッカーの名著と同じタイトルが記された第3章では、山元氏が考える成功者の行動特性について述べられている。
自分の志を成し遂げるためには、どう行動すればよいのか。
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