マフィア組織は、トップにドン、次に暴力団の若頭に相当するアンダーボスと、相談役としてのコンシリエーレ、その次に幹部クラスを表すカポ、そして末端のソルジャーという階層構造を持つ。
1986年当時、マフィアはGNPの1.1%を麻薬売買、高利貸し等の非合法ビジネスで生み出していた。それ以外にも建設業、運送業、飲食業、興行という合法ビジネスも行っており、合わせれば巨額の収益基盤を持つ。
著者は1986年の「フォーチュン」の特集で、マフィアのトップ50人に入り、35歳の最年少幹部(カポ)として1ページの特集記事が組まれるなど、注目を集めていた。様々なビジネスを統括し、特にガソリンの卸売りで、巨額の利益を得ることになる。1ガロン(約3.8リットル)当りの税金35セントに対して、複数の石油会社を束ねた企業連合により支払いをごまかしていた。それにより安い価格でガソリンスタンドに卸すことで、国から盗んで国民に分け与える、いわば現代版ロビン・フッドの心境だったという。
しかし結果として連邦裁判所でFBIと対峙することとなり、罪から逃れないこととマフィアから足を洗うことを決意するのである。
前日朝に命を落としたよそのソルジャーの話になった時の話だ。そのソルジャーは朝11時にパジャマ姿で車に物を取りに行き銃で襲われた、とのことである。その報道に対するボスの反応が印象的だった。「パジャマ姿だと。いったいどういうつもりだ。殺されたのは朝の11時だって言うのに!」
マフィアで成功したいと思うならば、早起きして仕事をしなければならない。著者は1日に15~18時間働くことが普通だったという。成功者への共通項が一つあるとすれば、ハードワーク、つまり「努力」である。
真面目に一所懸命に働いて何も成し遂げられない人はいる。しかし、一所懸命に働かずに成功を手にした人は1人もいない。更にもう一つポイントがある。それはハードワークに働くと、成し遂げたい気持ちが強くなるという点だ。賢く努力を重ねれば、成功への階段をのぼることができるだろう。
ビジネスで成功を収めようとするのならば、支えてくれる仲間を探すことだ。
「二人は一人に勝る。共に苦労するだけ、得るものが大きい」(ソロモン)
では誰を仲間にするべきなのだろうか。次の3つの点を勘案すべきである。
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