ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル

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ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル
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ビジネススクールで教えている武器としてのITスキル
出版社
東洋経済新報社

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出版日
2018年05月03日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.5
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

今や、ITにまったく触れずに生きていくことはほとんど不可能だといえるだろう。日常生活においてパソコンやスマートフォンを使うことはもはや当たり前のこととして、仕事のなかでCMSを使ったり、ITプロジェクトに関わったりする人も決して少なくないはずだ。それにもかかわらず、多くの人にとって、ITの知識やスキルを体系的に学ぶ機会は皆無であろう。仕事のなかで必須のスキルのみを見よう見まねで身につけて、なんとか対応しているのではないだろうか。ITスキルがますます求められる時代になりつつあることは理解しているものの、今すぐに勉強する必要はないと考えている人が大半のはずだ。

本書は、そうした人に向けたITスキルの入門書だ。グロービス経営大学院が著者に立ち、「コンピュータ+データ」「戦略・マーケティング」「リーダーシップ・組織」の3つのチャプターに分けて19のポイントを解説している。もちろん本書を読むだけで、IT分野の専門家になることはできないだろう。しかし著者は、技術の原理までを知る必要はないと指摘する。むしろ「どのような影響があり、活用分野があるかに意識を向けることがビジネスパーソンには有効」だという。つまり本書のポイントは、アルゴリズムやプログラミング、ITプロジェクトマネジメント、統計学、ビッグデータ、AIやIoTなどの基本的な知識が、「その知識を持っておくことでビジネスにどのように生かせるか」という視点で書いてあることだ。

「ITの知見は、自分には必要ない」と思い込んでいる方にこそ、読んでほしい一冊である。

著者

グロービス経営大学院(グロービスケイエイダイガクイン)
社会に創造と変革をもたらすビジネスリーダーを育成するとともに、グロービスの各活動を通じて蓄積した知見に基づいた、実践的な経営ノウハウの研究・開発・発信を行っている。

・日本語(東京、大阪、名古屋、仙台、福岡、オンライン)
・英語(東京、オンライン)

グロービスには以下の事業がある。

・グロービス・マネジメント・スクール
・グロービス・コーポレート・エデュケーション
(法人向け人材育成サービス/日本・上海・シンガポール・タイ)
・グロービス・キャピタル・パートナーズ(ベンチャーキャピタル事業)
・グロービス出版(出版/電子出版事業)
・GLOBIS知見録/GLOBIS Insights(オウンドメディア、スマホアプリ)

その他の事業
・一般社団法人G1(カンファレンス運営)
・一般財団法人KIBOW(震災復興支援活動、社会的インパクト投資)

本書の要点

  • 要点
    1
    ITプロジェクトは、思うように進まないものだ。その原因は、企画者やユーザーが、コンピュータが得意なことと苦手なこと、実行するにあたって留意すべきポイントを理解していないことにある。企画者やユーザー自身が知識やスキルを保有していれば、コストを削減できるだけでなく、企画を正確に実現できる。
  • 要点
    2
    プラットフォーム型ビジネスでは、費用と時間を投じて圧倒的な数のユーザーを集めてしまえば、課金してくれるユーザーが雪だるま式に増えていく。

要約

【必読ポイント!】 プログラミングとは何か

プログラムとは

コンピュータは、主記憶装置からデータを読み出して、計算して、その結果を主記憶装置に返すという「処理」を繰り返し行っている。そしてその処理をどのように、どんな順番で行うのかを規定するものを「プログラム」という。プログラムによって、コンピュータの処理速度や機能は大幅に変わる。

プログラムとして利用できる言語は多く、主要なものだけでも200種類を超える。ビジネスパーソンは、プログラム言語を覚えるよりも、アルゴリズムを理解することを優先した方がいいだろう。

アルゴリズムとは
monsitj/iStock/Thinkstock

グーグルやフェイスブック、アマゾンなどの企業は、アルゴリズムを効果的に利用してグローバルで成功している。たとえばアマゾンには、「この商品を買った人はこんな商品も買っています」という欄があり、ユーザーに商品をすすめる仕組みになっている。アマゾンがユーザーを集めたのは、このレコメンドサービスがあったからだ。大量のデータと多種多様な関係者に囲まれているなか、競争に勝つためには、最適なアルゴリズムを瞬時に分析して適切かつ多大な打ち手を打っていかなければならないのだ。

アルゴリズムとは、「コンピュータを利用して与えられた課題を解決するための処理手順のこと」である。アルゴリズムは「思考プロセス」、プログラムはアルゴリズムを表現するための「言語」に相当するといえるだろう。

アルゴリズムについて、名刺を並び替えるという課題を例にとって説明しよう。名刺を50枚用意し、好きな方法でその氏名が五十音順になるように並び替えるとする。コンピュータに対してどのような命令を与えて名刺の並び替えを行うかという、その解法がアルゴリズムだ。

100%の指示を出すために押さえておくこと

コンピュータは、こちらが実現したいことを完璧に指示しないと期待通りには動かない。これは、プログラムを作成するにあたって理解しておくべきことだろう。コンピュータに100%の指示を出すためには、次のポイントを押さえる必要がある。

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要約公開日 2018.08.16
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