グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンはテクノロジー業界の四強だ。これらの巨大企業は、この20年ほどで世界のあり方を大きく変えてきた。
アマゾンはネットショッピングと宅配によって買い物の手間を減らし、小売業の市場を独占。顧客がつけるレビューによって宣伝のコストを減らして流通に専念し、「地球上最大の店舗」になろうとしている。
アップルは宗教のように熱狂的なファンをもち、低コストの製品をプレミアム価格で売ることに成功した。スティーブ・ジョブズはもはやキリストのような存在であり、アップル製品をもっているというだけで「イノベーティブな人」になれるというイメージを確立している。
フェイスブックは、普及率と使用率でいえば人類史上もっとも成功している企業だ。世界人口75億人のうち、12億人が毎日フェイスブックとの関わりをもっている。個人が発信している膨大な情報を、フェイスブックは所有しているわけである。
グーグルは現代人の知識の源だ。世界中の人々からもっとも多くの質問をされている、全知全能の神である。グーグルは使われるほどに価値を増す。毎日20億人がグーグルを使うことで、日々検索の精度は向上している。
これらの企業は人類に幸せをもたらすのだろうか。それとも地上の人間を殺す権威を与えられた、ヨハネの黙示録の「四騎士」となるのだろうか。
いずれにせよ四騎士は世界に多大な影響を与えており、その存在を無視することはできない。これからの世界を生き延びるためには、彼らを理解することが絶対条件だ。
猛烈なスピードで価値を生み出して発展した大企業は、ルール違反をしていることが多い。政府をだまして助成金を引き出したり、知的財産を盗用したりしているケースが目立つ。これは四騎士も例外ではない。とくに技術の盗用は、企業の発展に大きな役割を果たす。
アップルはゼロックスのグラフィカル・ユーザー・インターフェースを使って、「普通の人々のためのコンピューター」を生み出した。これはゼロックスの技術を使っているが、ゼロックスにはできなかったことだ。他にもシナプティクスのタッチスクリーン、P.A.Semiの省電力チップなど、アップルの技術の多くは、買ったりライセンスを受けたりしたものである。
若い企業は技術を盗んで大きくなる。それは単に盗用するというだけでない。他の人には見えない価値をその技術に見出し、他の人には引き出せない価値を引き出している。四騎士は必要とあらば、どんな手を使ってでもそれをやり遂げてきたのだ。
配車サービスであるウーバーは、明らかに法律違反をしており、アメリカのさまざまな地域で業務停止命令が出されている。これまでタクシーに適用されていた規則を免れているだけでなく、労働法の規定も免れている。しかしそれでも利用者は増える一方だ。単純にサービスがすぐれているからである。便利なサービスがあれば、消費者はそれをどうにかして使おうとする。そして最終的には、法律のほうが変わることになるのだ。
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