成果を上げているチームのマネジャーは何をしているのだろうか。マネジャーとして重要なことはさまざまあるが、最も重要なのは、メンバーにとってよいコーチであることだ。コーチングできないマネジャーがチームのパフォーマンスを上げることはできない。
コーチングとは、指示や命令をすることではない。メンバーとの対話を通して、自身の仕事について認識させることである。コーチが投げかけるべき質問は、次の4つが基本となる。
(1)目標:「あなたの目標はなんですか?」「何に興味がありますか?」など。
(2)現実:「進捗はどうですか?」「どんな課題がありますか?」など。
(3)行動計画:「あなたが尊敬している人が同じ課題を持っているとしたら、どう行動しているでしょうか?」「目標達成に必要なスキルを得るため、まず何をしますか?」など。
(4)意欲:「いつから始めますか?」「どうやって壁を乗り越えますか?」など。
1対1のコーチングを行ったうえで、チーム全体でのコーチングを取り入れてもいいだろう。メンバー全員に質問を投げかけてやり取りを促せば、チームの自己認識を深めることができる。
生産性が高いチームの共通点は、チームの「心理的安全性」が高いことだ。心理的安全性とは、メンバーがそのチームの中で安心して自分らしく働けるということ。つまり自己認識・自己開示・自己表現ができる、なんでも言い合えるチームを構築することだ。
心理的安全性が高くなければチームを信頼できないし、仕事に意味を見出すことができなくなってしまう。互いに信頼できなければ、生産性が高まることもない。役割分担をしても、相手ばかり得をしているのではないか、相手が裏切っているのではないかと疑心暗鬼になってしまうだろう。
一方、心理的安全性が高いチームは、メンバーを尊重することができる。メンバーの役割や計画が明確になり、さらに大きな目標へと向かっていく、生産性の高いチームを構築することができるだろう。心理的安全性の高いチームをつくることもまた、マネジャーの役割である。
グーグルのワン・オン・ワンミーティング(以下、ワン・オン・ワン)は、メンバーが話したいことを話す時間ととらえられている。そして成果を上げているマネジャーほど、メンバーのプライベートな相談にのっているという。
友だち関係や夫婦関係など、プライベートな悩みを抱えているときは、仕事に集中できないものだ。しかしマネジャーを信頼していなければ、悩みを打ち明けることもできないだろう。
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