企業には、「導入期」「成長期」「成熟期」「衰退期」というライフサイクルがある。ジャパネットたかた(以下、ジャパネット)は、この時流に合わせた戦略によって成長していった企業だ。
まず、導入期(1986~1990年)だ。ジャパネットは、創業者の髙田明氏(以下、明氏)が家業のカメラ店から独立したことから始まった。カメラ販売以外の売上を得るべく、観光地やホテルでお客さんの写真を撮り、現像してプリント販売する仕事もやっていたという。
一度目のターニングポイントとなったのが1990年。NBC長崎放送でのラジオショッピングを始めたことだ。この時期には、その他にもさまざまなアイデアで売上を伸ばしていった。
1990年から2000年は、ジャパネットの第1次成長期にあたる。1991年にはラジオショッピングの全国ネットワーク化を完成させた。そして3年後の1994年には、深夜の30分番組でテレビショッピングをスタートさせる。テレビショッピングによって知名度と売れ行きを飛躍的に伸ばした時期だ。
2000年から2010年の10年間が第2次成長期だ。本格的なインターネット時代が幕を開けたこの時期、ジャパネットも早々にオンラインショッピング事業を開始した。
とはいえ、メインはまだテレビショッピングだ。2001年にはテレビスタジオを開設し、自前で番組を制作するようになった。また同時に、「スカイパーフェクTV!」に専門チャンネルを開局し、生放送での全国放送も開始した。
この10年間は、「自前スタジオ」「自前制作」「生放送」の3つのキーワードで語ることができる。顧客情報の流出という事態もあったが、真摯な対応が評価され、それまで以上の成長をみせた。
2010年から現在までは、成熟期だ。ジャパネットのブランドは既に認知され、安定して成長している。2011年の東日本大震災では大打撃を受けたものの、あえて義援金を送る気概も見せた。2012年には、六本木に新しい東京オフィスとスタジオを開設するなど、逆境にあっても攻めの姿勢を貫いている。
その後、明氏は社長を退任。2代目の旭人氏が後を継ぎ、現在に至る。
ジャパネットの戦略は、ランチェスター法則とランチェスター戦略によって読み解くことができる。
3,400冊以上の要約が楽しめる