お金にはHappy Money とUnhappy Moneyの2種類がある。愛情や感謝の気持ち、幸せな気分で支払ったお金は、「笑っている」。一方、人が罪悪感や怒り、悲しみなどを感じながら支払ったお金は「泣いている」そうだ。あなたの財布には、どんなお金が入っているだろうか。
あなたが自分の仕事や人生に満足しているなら、あなたのお金も笑顔になっているはずだ。逆に、仕事を嫌々している、人生に対して何かしら不満を抱えているという状況ならば、あなたのお金も泣いているか、怒っているだろう。もしも後者なら、自分に問いかけてみる必要がある。「自分の人生で、いったい、何が問題なのだろう?」
一方で、お金は「喜び」や「感謝の気持ち」「幸福」をもたらす可能性がある。とりわけ、お金を受け取ったときと同じポジティブなエネルギーを添えて、お金を惜しみなく与えたときに、同じものが相手にも自分にも、もたらされるのである。
現実社会のマネーゲームは、一筋縄ではいかない。30代、40代のときに大金を手にしても、その後取り返しのつかないことが起きる可能性はある。大金を稼いだ有名人が多額の借金を抱えて亡くなることも珍しくない。
こうしたことが起きるのは、お金のルールが絶えず変化するためだ。世間で投資すべき対象とされるものも、不動産、金、仮想通貨と変遷を遂げている。だがお金に関して、いざというとき人々がコントロールできるのは、「お金に対する感情」である。
世界中の多くの人が、「ゼロサムゲームのせいで自分が公平に扱われていない」と感じている。「誰かが何かを手にすれば、私たちはそれを手にできない」。つまり、たくさんお金をもっている人が必然的に自分たちのお金を奪っている、と思い込んでいるのだ。この状態では、お金に対するネガティブな感情が生じる。
自分たちがほしいときにほしいものを手に入れておかないと、誰かにとられてしまう――。そんな「欠乏意識」に駆り立てられていると、たとえほしいものを獲得しても、満足することなどできない。この欠乏こそが、嫉妬や不安、欲、偏見を生み出す根源となっているのだ。
欠乏の神話から解き放たれ、お金をお金として見られるようになるには、自分がお金に対してどんな観念をもっているかを明らかにしなければならない。なぜお金をほしいと思うのか、その心の働きを客観視する。そうすれば、自分が必要としているものと今まで以上にしっかりと関われるようになり、お金にまつわるストレスを感じなくなるだろう。
さらに掘り下げると、自分がお金に関してどんな傷を抱えているのか。その傷ができた経緯は何か。それが日常にどんな影響を及ぼしているのか。こうしたことを明らかにし、傷を癒していくと、「お金はよいことに使うもの」「自由に授受できるもの」というように、お金の捉え方が変わっていく。このように、内面の変化が人生に反映され、経済状態が確実に改善するのだ。
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