時間術大全

人生が本当に変わる「87の時間ワザ」
未読
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人生が本当に変わる「87の時間ワザ」
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出版社
ダイヤモンド社

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出版日
2019年06月19日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
4.0
応用性
3.5
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おすすめポイント

現代人は常に時間に追われており、「時間がない」という言葉は、至るところで飛び交っている。そもそも、なぜ時間がないのだろうか。それはやるべきことが多いからでも、生産性が低いからでもない。理由は2つある。忙しいのをよしとする「多忙中毒」に陥っているため。そして、スマホのアプリなど、コンテンツがたえず補充される「無限の泉」に主導権を奪われてしまっているためだ。こういわれると、身に覚えがある人も多いのではないだろうか。

本書の原題は「MAKE TIME(メイクタイム)」。つまり、忙しさをペースダウンし、大事なことのために時間をつくる方法のことである。GoogleやYouTubeなど、一流のテクノロジー企業で「最速仕事術」を使って仕事をしてきた著者たち。彼らがあるときふと気づいたのが、時間は「デザイン」できるということだった。人生で本当に大切なことは何なのか。自分はそれに十分に時間をかけられているのか。集中を妨げているものは何か。これらを意識して改善していけば、人生も、人生の満足度も驚くほど変わる。

本書では、著者らが生み出した「メイクタイム」のための時間ワザがふんだんに紹介されている。どれも今すぐに実行できるものばかりなので、普段から時間がないと悩むビジネスパーソンは、ぜひ試してみるといいだろう。紹介されているすべてを実行する必要はない。自分に合ったものを取り入れればいい。人はそれぞれ違うので、唯一の正解はない。自分だけの人生を、今こそデザインしてほしい。

ライター画像
山下あすみ

著者

ジェイク・ナップ(Jake Knapp)
著術家、IDEO客員研究員。Googleで、あらゆる仕事を最速化する仕事術「スプリント(デザインスプリント)」を生み出し、Gmailの改良に生かすなど大きく貢献。その後GV(旧グーグル・ベンチャーズ)のデザインパートナーとして、スプリントをスラックやウーバー、23andMeなどで150回以上にわたり実行し、プロダクト構築を助ける。2017年より現職。現在もレゴ、ニューヨーク・タイムズなどにスプリントをコーチングしている。スプリントは世界中に広まり、国連や大英博物館を含む多くの企業や組織が事業戦略として活用している。著書に世界的ベストセラー『SPRINT 最速仕事術』(ジョン・ゼラツキー、ブレイデン・コウィッツと共著、ダイヤモンド社)がある。

ジョン・ゼラツキー(John Zeratsky)
YouTube、Googleなどのテクノロジー企業で、デザイナーとして「時間」を再設計するミッションに没頭してきた。GVのデザインパートナーを経て、現在は「ウォール・ストリート・ジャーナル」「タイム」「ハーバード・ビジネス・レビュー」「WIRED」他で執筆。ハーバード大学、IDEOなどの舞台に100回以上にわたって登壇するなど、スピーカーとしても活躍している。

本書の要点

  • 要点
    1
    1日の初めにやりたいことを1つだけ決めて(ハイライト)、注意をレーザー光線のように絞り込むことで、より大きな成果をあげられる。
  • 要点
    2
    先史時代の人間に近い暮らしをすれば、心身のエネルギーを高め、チャージすることができる。そして1日の終わりに取り組みを振り返ってチューニングし、自分なりの戦術を完成させるとよい。
  • 要点
    3
    これらメイクタイムの4ステップ(ハイライト、レーザー、チャージ、チューニング)を毎日繰り返すことで、好きなことのために、今よりもっと時間を割くことができ、集中できるようになる。

要約

メイクタイムのしくみ

「4ステップ」を毎日繰り返すだけ

まずは、全時間を最適にデザインするためのメイクタイムのしくみを紹介する。1日の中で、メイクタイムは、ハイライト、レーザー、チャージ、チューニングの4ステップから成る。

最初のステップでは、その日に優先する「ハイライト」を1つ決める。何のために時間をつくるのかを決めるということだ。最優先事項を決めることで、前向きで積極的な気持ちになれる。

ステップ2では、そのハイライトに「レーザー光線のように集中」し続ける。そのためには、テクノロジーを調整し、「気を散らすもの」を撃退することが必要だ。

そしてステップ3として、時間と注意力を1日中コントロールするために、「エネルギー」を蓄える(チャージする)。具体的には、運動や食事、睡眠、静寂、親密な時間などで「脳を充電」する。

最後のステップ4では、1日を振り返って寝る前に簡単な「メモ」をとる。どの戦術を続けたいか、改善したいか、やめたいかを考える。その日のエネルギーレベルがどうだったか、ハイライトの時間をつくれたか、その日何に喜びを感じたかを振り返るのである。

成功のコツは「選ぶ、試す、繰り返す」
yuriz/gettyimages

本書ではメイクタイムを実践するための87もの戦術を紹介している。もちろん、すべての戦術を一気に試す必要はない。むしろ、自分に合った戦術を選び、試し、繰り返すことが大切だ。初めてメイクタイムを実践する日は、各セクションから戦術を1つずつ選ぶくらいでいい。毎日実験をして、効果があるかどうか確かめよう。そうすることで、自分に合った完璧なメイクタイム・システムをつくることができる。

メイクタイムを実践すると、大事なことをやる余裕が生まれる。ぜひ取り入れやすいものから順にやってみて、毎日に喜びを見つけてほしい。

ハイライト

ハイライトの「3つの選び方」

ハイライトとは毎日に「ちょうどいい目標」を置くことだ。それを決めるには、次の3つの基準をもとにするとよい。1つ目は、今日やらなくてはいけない、急を要することは何かという「緊急性」だ。2つ目は、何を選べば1日の終わりに最大の満足感が得られるかという「満足感」。3つ目は、今日という日を振り返ったとき、いちばん喜びを感じられるのは何をしたときかという「喜び」である。

これら3つの基準のうち、その日何をメインに置くのかは、直感で決めていい。1つの目安としては、ハイライトは60~90分くらいでできることを選ぶのがいい。それだけあれば意味のあることができるし、それくらいの時間なら無理なく予定に入れられるだろう。

ハイライトを選ぶ
Deagreez/gettyimages

ここからはハイライト戦術の一部を紹介する。ハイライトのための時間をつくるには、まずは、選んだハイライトを書いてみることだ。ふせんなどに書いて目につく場所に貼っておくことで、いつでもその内容を思い出せる。1つに絞れないときは、大事なテーマを3~10個書き出そう。その中にはきっといちばん大事なことがあるはずだ。自分の気持ちに正直になって、本当に優先すべきことを丸で囲んでみよう。そのリストは毎日のハイライト選びに役立てられる。

ときには同じハイライトに、何日も連続して取り組むことも必要だ。いわゆる「ひとりスプリント」である。数日間続けて取り組むことで「ゾーン」に入り、普段よりもずっと大きな成果をあげられる。

ハイライトの時間をつくる

何をやるかが決まったら、次は「いつやるか」を予定表に書き込むとよい。それによって、1日の時間の使い方を考えざるを得なくなるからだ。職場であれば、その時間のカレンダーを「ブロック」することで、同僚にもそれは「自分のための時間」であることを伝えられる。同僚はミーティングなどを入れようとするかもしれないが、ときには思い切って断ることも必要だ。そうやって予定を組み立てていくうちに、時間の感覚が身につき、1日1日をデザインできるようになる。

【必読ポイント!】 レーザー

世界は「気を散らすもの」だらけ

ハイライトを選んで時間をつくったあとは、集中することが欠かせない。だがそれが難しい。人間は、メールやSNS、テレビなどに気を取られ、集中力を奪われてしまうからだ。平均的なiPhoneユーザーは1日に80回もロックを解除する。

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要約公開日 2019.10.15
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