時間には、「自分のための時間」と「他人のための時間」の2種類しかない。「自分時間」とは、好きな仕事や趣味のこと。一方「他人時間」とは、やらされている仕事や通勤、気を遣う飲み会などである。「自分時間」を増やし、「他人時間」を減らすほど、あなたの人生の質は高くなる。
ほとんどの人は、自分の人生が「他人のための時間」で埋め尽くされていることに気づいていない。でも、考えてみてほしい。もしも部屋に猛獣が入ってきたら、その状況から逃れるための方法を必死で考えるのではないだろうか? 死んでしまえば、自分の時間はそこで尽きてしまうのだから。
それなのに、他人時間に対して同じような脅威を感じる人はほとんどいない。他人のせいで時間が奪われている状態は、「生きながら猛獣にゆっくりと食い殺されている」のと同じだと言っても過言ではないのに、なぜ平気でいられるのだろう。
まずは日頃から、「これは自分時間? それとも、他人時間?」と自問することを習慣づけよう。すべてはそこからはじまる。
「他人時間」はあなたの人生を削っていく。ただし、他人時間の正体は、他人そのものではない。その発生源のほとんどは、あなた自身の中にある。
その原因は、あなたが「悩んでいる」ことだ。悩むのは、「こうしたい」という自分なりの答えがあるのに、プライドや自意識が足を引っ張って実行できていないからだ。ほとんどの人はここで、変なプライドに邪魔される。「失敗したときに、みんなにバカにされたら恥ずかしい」などと言うのだ。これはただの自意識過剰である。
自意識が描き出す「世間」なんて心の中の幻にすぎないので、全部取っ払ってしまえばいい。そうすると、「起業したい」とか「会社を辞めたい」という本音が出てくる。そこを出発点にしよう。
悩んでいる人の99%は、このシンプルな「心の事実」のまわりに、余計な「世間」をまとわりつかせて、手も足も出せなくなっている。「シンプルがいい」と自己暗示をかけて、シンプルに本質を見直すところからはじめよう。
時間を増やすうえでは、「シンプルに考えること」が欠かせない。真実や価値のあるものは、いつだってシンプルだ。
実際のところ、物事は複雑に考えるほうがラクだ。
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