究極のリーダーになるための条件は、「ワクワクすること」だ。本書において、ワクワクとは、心が喜んでいる状態や、心から喜びがわいてくる状態にあることを指す。要するに「ご機嫌でいる」「楽しむ」ということだ。
ワクワクは、すごいパワーを秘めている。突然ではあるが、いま前屈をして、自分の指が床につくかどうか試してみてほしい。次に「最近、楽しかったこと」「嬉しかったこと」を思い浮かべて笑顔になり、そのままもう一度前屈をしてみる。どうだろう? さっきよりも身体が柔らかくなっていないだろうか?
著者が講演会の会場で参加者に同様のことをやってもらうと、9割ほどの人が、2〜5センチほど身体が柔らかくなっている。これはなぜかというと、人間は楽しんでいるときには余分な力が抜けて、最大限の力を発揮できるものだからだ。
リーダーであるあなたは、仲間をワクワクさせているだろうか?
著者は、阪神タイガースの藤浪晋太郎選手と食事に行ったとき、こう聞いてみたという。「大阪桐蔭高校の西谷監督は、どんなリーダーだったの?」
藤浪選手からの答えは、「練習はめちゃくちゃキツくて厳しかったですけど、夢にワクワクさせてくれた人でした」というものだった。選手たちが、普通の高校生として遊んだりデートしたりする友人たちを羨ましく思っているであろうことに理解を示しつつ、「甲子園という最高のステージで野球ができることは、どんな遊びとも比べることができない、感動と喜びがあるんや」「俺は、お前たちと日本一になって、最高の感動を分かち合いたい」などと、熱く話してくれたのだという。大阪桐蔭高校の強さの裏には、ワクワクがあったのだ。
最高のリーダーとは、仲間を夢や目標にワクワクさせる人である。リーダーだけがワクワクしていてはいけない。仲間をワクワクさせることが重要だ。
目標が達成できない理由は、目標にワクワクしていないから。ワクワクさえすれば、目標は高い確率で達成できる――著者はそう断言する。
例えばあなたは、毎月の売上目標が未達で、「目標達成が難しい」「自分には無理だ」とあきらめてしまっているとする。そんなときに「来月の売上目標が達成できたら、1億円プレゼント!」という条件を出されたらどうだろうか。絶対に目標を達成しようとするのではないだろうか。
どんな目標でも、達成できないのは才能がないからではない。本気でやりたいと思っていないだけだ。人は、ワクワクする夢や目標であれば、それがどんなに困難でも、必ずやり遂げようとする。根性や才能、手段、方法よりも、その夢や目標に対するワクワク度、本気度のほうが重要なのだ。
伊勢神宮の神主によると、日本には昔からすごい夢の叶え方があったという。それは「予祝」である。
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