食べる投資[文庫版]

ハーバードが教える世界最高の食事術
未読
食べる投資[文庫版]
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ハーバードが教える世界最高の食事術
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食べる投資[文庫版]
著者
出版社
アチーブメント出版

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出版日
2024年08月02日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

現代社会を生きるビジネスパーソンには、健康な肉体だけでなく、ストレスに負けない強靭な精神や、仕事を進めるための思考力、集中力が常に必要とされている。もちろん仕事に限らず、趣味を存分に楽しむためにも、健康な肉体と精神は不可欠なものだ。

本書の著者である満尾正氏は、「食こそが健康な体の基盤であり、栄養知識を身につけて実践することが『健康』という『資産』を作り上げる『投資』になる」という。つまり、一人ひとりが意識的に摂取するべき栄養素と、避けるべき食品に対する知識を身につけ、自分の口に運ぶものに対して、常に意識を向ける必要がある。

本書は、ハーバード大学外科代謝栄養研究室の研究員を務め、日本で初めてのアンチエイジング専門病院を経営する著者によって、最先端の栄養の知識が記されている。ただ学術的な見解を述べるのみでなく、具体的に摂取するべき食品や、その食品の栄養素を最大限生かすレシピなども掲載されているため、本書を読めばその日から食生活を改善することができるだろう。

著者は、ビジネスパーソンが自分のためにできる、最大リターンを得る投資は食事であると述べている。健康な生活を送り、ビジネスパーソンとして常に高いパフォーマンスを発揮したいと考えている人だけでなく、健康に長生きしたいすべての人にお勧めしたい一冊である。

※本要約は、過去に作成した要約を最新版に合わせて一部再編集したものです。

ライター画像
池田明季哉

著者

満尾正(みつお ただし)
満尾クリニック院長・医学博士
日本キレーション協会代表
米国先端医療学会理事
日本抗加齢医学会評議会

1957年横浜生まれ。北海道大学医学部卒業後、内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学外科代謝栄養研究室研究員、救急振興財団東京研修所主任教授を経た後、日本で初めてのアンチエイジング専門病院「満尾クリニック」を開設。米国アンチエイジング学会(A4M)認定医(日本人初)、米国先端医療学会(ACAM)キレーション治療認定医の資格を併せ持つ、唯一の日本人医師。キレーション治療の経験は延べ5万件を超える。著書に『世界の最新医学が証明した 長生きする食事』(アチーブメント出版)、『40歳から病気にならない人の習慣』(PHP文庫)、『40代からの太らない体のつくり方』(三笠書房)など多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    現代のビジネスパーソンは、体にとって本当に必要な栄養素が不足し、不必要なものは過剰になる「現代型栄養失調」状態に陥りやすい。口にするものは全て自分への投資であると考えよう。
  • 要点
    2
    仕事に穴があけられないビジネスパーソンには、感染症を予防する効果がある納豆を毎日1パック食べるのがお勧めだ。
  • 要点
    3
    健康を維持するため、何を食べるかだけでなく、避けるべきものに対しての知識も持ち、自衛する必要がある。特に糖質の過剰摂取には注意したい。

要約

最大リターンを得る投資は「食事」である

現代人には「栄養」という投資が足りない
recep-bg/gettyimages

現代のビジネスパーソンの中には、「常に疲労感を感じており、集中力、注意力が散漫になっている」という悩みを抱えている人が少なくない。その要因のひとつとして、体にとって本当に必要な栄養素が不足し、不必要なものは過剰になる「現代型栄養失調」状態になっていることが挙げられる。コンビニやスーパーで買った出来合いの食品や加工食品は、便利で手軽というメリットがある一方、健康には悪い。毎日の忙しさに流され、栄養を蔑ろにしてしまっている人も、口にするものは全て自分への投資であると考え、意志を持って食品を選ぶようにしてほしい。

すぐに始めるべきは、ビタミン・ミネラルを積極的に摂取することだ。ビタミン・ミネラルといった基礎的な栄養素が不足すると、細胞の動きが制限され、生きていく力となるエネルギーの産生がうまくいかなくなってしまう。日々の生産性を向上させるためには、これらの栄養素の摂取が必須である。

「現代型栄養失調」と心の不調

体の調子が悪いときにはネガティブになるし、精神状態がよくないときは体に異変が起こりがちだ。こうした関係性は決して思い込みではない。現代型栄養失調は、生活習慣病だけでなく、うつ病などの心の病を発症する大きな原因のひとつになっているといわれている。

近年の研究では、うつ病を引き起こす主な原因は、脳内の神経伝達物質が不活性化することだとされている。例えば、幸せを感じるホルモンのセロトニンが不足すると、睡眠障害や不安感などが引き起こされやすくなる。

セロトニンの原料は、必須アミノ酸の一つである「トリプトファン」だ。必須アミノ酸は体内で必要量が生成できないため、肉、魚、豆類などといった食材からとる必要がある。そして、トリプトファンだけでなく、ビタミンや鉄、マグネシウムなど、6種類の異なる栄養素を摂取することで合成されると説明している。

糖質の摂取が多く、ビタミン・ミネラルが不足する現代型栄養失調の状態では、精神を安定させる神経伝達物質が不足してうつ状態に陥りやすくなってしまうのだ。

血糖値をコントロールして生産性を上げる
fizkes/gettyimages

この数年、欧米の予防医学界が掲げている最大のテーマは「ビジネスパーソンの健康をいかに保つか」である。企業が社員一人ひとりの生産性を上げてサステイナブルな経営をしていくためには、「社員の体と心を健全化して、一人ひとりのパフォーマンスをアップしていくしかない」と気付き始めたのだ。社員の心身のコンディションを最適化することで、生産性が向上するだけでなく、うつ病や離職の防止にもつながる。

NASAによると、労働者の体と心の健全化のためには

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要約公開日 2024.09.13
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