コンサル一年目が学ぶこと

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出版社
ディスカヴァー・トゥエンティワン

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出版日
2014年07月29日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.5
革新性
3.0
応用性
4.0
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おすすめポイント

業種・業界を問わず、役に立つ普遍的なスキルを網羅する――それが本書のコンセプトだ。

各界で活躍する元コンサルタントたちを取材し、「新人時代に学んだことで、15年後も役立っているスキルとは何か」を調査。そのなかで、絶対に欠かすことのできない30のスキルを明らかにした。さらにそれらを「話す技術」「思考術」「デスクワーク術」「ビジネスマインド」の4つに分け、1年目の具体的な経験を引き合いに出して説明しているので、どういった場面で役に立つのか、手に取るようにわかるだろう。それぞれのスキルには重要度と難易度が記載されているため、まずは重要度と難易度が高いものから着手するとよい。

社会人1年目の方が本書を読めば、仕事をするうえで絶対に抑えておくべきポイントがわかり、上司からの信頼度はさらにアップする。またベテランの方も、いままでの経験知が言葉にされることで、スキルにさらなる磨きをかけられるはずだ。個人的には、「ビジネスの基本は期待を超え続けていくこと」という言葉がもっとも心に響いた。常日頃から期待を超え続けるよう努力しなければと、襟を正された次第である。

仕事のプロとして、あなたを一回り大きく成長させてくれる一冊だ。

ライター画像
木下隆志

著者

大石哲之(おおいし てつゆき)
1975年東京生まれ。慶應義塾大学卒業後、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)。株式会社ジョブウェブの創業を経て、株式会社ティンバーラインパートナーズ代表取締役(現職)、株式会社タグボート監査役(現職)、一般社団法人日本デジタルマネー協会理事。
現在は、ビジネスコンサルタントとして、経営の支援や、創業などにかかわる一方、海外に移住し、場所・時間・国家にとらわれないライフスタイルを実践し、作家、ブロガー活動を通じて情報を発信している。著書に『ノマド化する時代』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、『3分でわかるロジカルシンキングの基本』『3分でわかる問題解決の基本』(日本実業出版社)、『過去問で鍛える地頭力』(東洋経済新報社)、『コンサルタントの読書術』『英語もできないノースキルの文系学生はどうすればいいのか?』(tyk publishing)など、多数。

本書の要点

  • 要点
    1
    「動かしようのない事実」を語れば、コンサルタント1年目でも経験豊富な相手と渡り合うことができる。この事実の最たるものが「数字」だ。事実を集めて数字にするべきである。
  • 要点
    2
    ビジネスの基本は、相手の期待を超え続けることである。まずは相手の期待の中身を把握して、次に相手の期待を超えることに全力投球しよう。
  • 要点
    3
    仕事を進めるうえで大切なのは、いきなり作業に入るのではなく、どのように進めれば求めている答えにたどり着けるかを考えることである。

要約

【必読ポイント!】 コンサル流「話す技術」

結論から話す
Bulat Silvia/gettyimages

「物事は順番に話せ」「起承転結で話せ」と、学校で習った方も多いだろう。しかしコンサルティング業界では、報告書、メール、メモ書き、上司への連絡に至るまで、「結論から話す」ように徹底される。なぜなら結論から話したほうが、物事がシンプルで明確になり、短い時間で相手に必要なことを伝えられるからである。

結論から話す技法として、「PREP法」というものがある。PはPoint(結論)、RはReason(理由づけ)、EはExample(具体例)、2つ目のPはPointの繰り返しを意味する。

普段からPREPの型を思い浮かべて、頭の中で整理しよう。そして結論から話すのである。著者は新人時代、「質問に対して取り繕うように答えなくていい。5分考えてからでいいので、頭を整理して答えなさい」と上司から指導を受けた。それ以来、言葉が詰まる質問を受けたときは、「1、2分考える時間をください」と言ってから、黙って考えている。「頭を整理し、結論から話す」ことを徹底しているのである。

トーク・ストレート(端的に話す)

コンサルティング会社には標語が多い。それが新人の行動指針になっていることもある。「トーク・ストレート」もその一つだ。トーク・ストレートとは、「端的・簡潔・素直に話す」という意味である。変な駆け引きをせず、言い訳をせず、言われたことにきちんと答える。

「あの資料はできた?」と上司に質問されたとき、資料が未完成だったら、どう答えるだろうか。そういう質問を受けるときは、往々にして作業が遅れているものだ。そのため、ついつい言い訳から入ってしまいがちである。

しかしいまの著者なら、素直に「まだできていません」と答える。叱られるかもしれないが、それも承知の上である。というのも、上司が知りたいのは「完成したのか、していないのか」という事実だからだ。未完成なら、その原因を知りたいはずである。

相手の質問に対してストレートに答えれば、自然にコミュニケーションが取れるし、問題の所在も明らかになる。そうすれば相手としても、その先の「なぜ?」や「どうして?」を聞きやすい。

質問に対しては、まずイエスなりノーなりで端的に答えて、それから追加の説明をしたり、相手の質問に答えたりしていくべきである。

数字という事実で語る
gece33/gettyimages

コンサルタントは1年目であっても、30代後半〜40代で経験豊富なクライアントと話すことが多い。しかし1年目の社員なのに、どうしてそんなことができるのか。

その秘訣は、「動かしようのない事実」を語っていることにある。この事実の最たるものが「数字」だ。それも難しい数字ではなく、売上、出荷個数、コスト、利益率などの単純な数字である。

たとえば街角で、調査員がカウンターを持って数えている数字がある。このような、新聞にもネットにもないデータこそが有効だ。おかしいと思ったら、まず事実を集めて数字にする。数字こそが一年目の武器になるのだ。

相手の期待値を把握して、期待値を上回る

「どうしたら常に評価と信頼を得られて、次にも仕事がくるようになるのか?」、「ビジネスをするうえで一番大事なものとは何だろうか?」――こうした質問を、著者は多くのコンサルタントに投げかけた。その答えは全員一致で、「相手の期待を超え続けること」だった。

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要約公開日 2020.09.23
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