ミリオンセラーに一番近い編集者とは、「誰よりも強く、ミリオンセラーを出したいと願っている編集者」だ。本とはある意味では、こういう著者のこういうテーマの本があるといいな、という編集者の想念が物質になったものだ。その想念を最大限に高めるべく、強い思いを持っていなければならない。これは、飲食物や家電製品をヒットさせたいと考えるときも同様ではないだろうか。強い思いがすべてを作るのだ。
多くの成功者たちも、強い願望こそ実現すると語っている。たとえば、京セラ創業者の稲盛和夫さんは、著書の中で「強く持続した思いが実現するということは、普遍的な真理」とまで言い切っている。
著者が創業社長の後を引き継いで社長になった当時、会社の財務状況は倒産寸前といえるほど悪かったという。そのときできたことは、とにかく可能性のあるものに投資していくことだった。「この本は」と思うものに賭けて挑戦し続け、海外への版権販売や電子書籍へも投資した。「まずはそう思う」しかなかったのである。
最初から「これはできない」と思っていては、大きなことは達成できない。「できる」「絶対にうまくいく」と思うことこそ大切なのだ。
毎年の年始に、サンマーク出版では年度方針発表会を行う。そこで恒例となっているのが、社員全員が今年の目標を発表する、「大ぼら」目標発表会だ。半年後、1年後に結果報告をする義務があるものの、毎年みんな、けっこうな大ぼらを吹くという。
この大ぼら吹き大会は、じつは社員に大きな効果をもたらす。ひとりひとりの「限界意識」が取り除かれるのだ。
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