マッキンゼーで叩き込まれた

超速フレームワーク

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超速フレームワーク
出版社
出版日
2020年03月25日
評点
総合
4.0
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.5
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おすすめポイント

思考の枠組みとも呼ばれる「フレームワーク」についてご存知だろうか。活用することで、迅速かつ精度の高い意思決定と効率的な問題解決ができ、生産性がアップする、まさに最強と呼ぶべきツールだ。仕事で「フレームワーク」を取り入れてみたいが、なかなか一歩が踏み出せない。そんな読者におすすめしたいのが本書だ。

著者である大嶋祥誉氏は、コンサルタントとして働いたマッキンゼー・アンド・カンパニーでフレームワークを徹底的に叩き込まれた。自分は同僚と比べて超優秀とは言えなかったと振り返る著者が、それでも成果を出し続けられたのは、フレームワークを自分の武器として使いこなせたからだという。飛躍的に仕事の「スピード」と「質」が上がった「超速」の世界は、ビジネスパーソンなら誰もが憧れる領域だろう。

本書では実際にビジネスの現場で使われている、王道というべきフレームワークを、使用実例を交えながら多数紹介している。読み進めるほどに、「このフレームワークをあの仕事で使ってみよう!」「こうすれば事実を深めることができるのか!」と具体的な使用イメージがどんどん湧いてくる。

シンプルであるからこそ、定番のフレームワークは多くの人に使われ、受け継がれていく。仕事のスピードと質を高めたい中堅やベテランのビジネスパーソンから、基礎をしっかりと身につけたい若手の社会人や教育担当の方まで、幅広く参考になる1冊だ。

ライター画像
大島季子

著者

大嶋祥誉(おおしま さちよ)
センジュヒューマンデザインワークス代表取締役。エグゼクティブコーチ、人材戦略コンサルタント。米国デューク大学MBA取得。シカゴ大学大学院修了。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ワトソンワイアットなどの外資系コンサルティング会社や日系シンクタンクなどを経て独立。現在、経営者をはじめとするビジネスリーダーを対象に、エグゼクティブコーチング、ビジネススキル、リーダーシップ研修のほか、チームビルディング、組織変革コンサルティング、人材育成コンサルティングなどを行う。また、瞑想や生産性を上げる効果的な休息法なども指導。著書に『マッキンゼー流入社1年目問題解決の教科書』(SBクリエイティブ)、『マッキンゼーで当たり前にやっている働き方デザイン』(日本能率協会マネジメントセンター)など多数がある。オンラインサロン「ギフト」主催。

本書の要点

  • 要点
    1
    限られた時間の中で最大限の成果を上げたいと願うビジネスパーソンにとって、フレームワークは使いこなせば強力な武器になる。
  • 要点
    2
    フレームワークを活用すると、分析・検証の精度が上がり、意思決定が迅速になるうえ、論理的に伝えられるようになり、仕事の「質」と「スピード」を圧倒的に向上させることができる。
  • 要点
    3
    紹介されているフレームワークの中から、目的に合わせて自分に合うものを選び、実際に使ってみよう。使い込むほどに、自分の思考や行動が磨かれていくのを感じるはずだ。

要約

マッキンゼーの「超速フレームワーク」仕事術

フレームワークでワンランク上の自分に
sesame/gettyimages

ビジネスパーソンであれば、限られた時間の中で最大限の成果を上げたいと願うものだ。そんなとき、思考の枠組みともいえる「フレームワーク」を活用すれば、問題解決をスムーズに進めることができる。たとえば、「お酒の企画を考えなさい」といわれても何から考えたらいいか見当もつかない。しかし、「30代女性を対象にした日本酒の企画」という「枠」があれば、具体的なアイデアが生まれやすくなる。

著者はマッキンゼー・アンド・カンパニーで働いていたとき、フレームワークを徹底的に叩き込まれた。フレームワークを使いこなせるようになると、仕事の「スピード」と「質」が飛躍的に向上し、「超速」の世界に入ったのだという。フレームワークを活用するクセがつくと、何らかの枠組みを設けて情報を整理する「フレームワーク思考」が身についていく。フレームワーク思考が身につけば、分析・検証の精度が上がり、意思決定が迅速になるうえ、論理的に伝えられるようになる。

本書では、目的や状況に応じたさまざまなフレームワークを紹介している。自分に必要なフレームワークを見つけ、その武器を自分のものにできたとき、ワンランク上の自分になれたことに気がつくはずだ。

【必読ポイント!】問題解決に使えるフレームワーク

トラブルを未然に防ぐ「空・雨・傘」

著者が頻繁に使っている問題解決技法に、「空・雨・傘」というフレームワークがある。朝出かける前に「空」の様子を見て、「雨」の予想を立て、「傘」を持って出かけたことで、濡れずにすんだとしよう。空はいまどのような状況であるかという「ファクト(事実)」、雨はその事実が自分にとって具体的に何を意味しているのかという「解釈」、傘はそれらを踏まえて実際に選択すべき「行動・解決策」を表している。この3つをセットで考えることができれば、トラブルを未然に防いだり、問題が発生したとしても効率的・効果的に解決したりすることができる。

「空・雨・傘」では、事実をどう解釈するかが最適な解決策を考える肝となる。確度の高い仮説を立てるためには、前提となるファクト収集が非常に重要だ。ネットや新聞の記事などの第3者のフィルターがかかっている「2次情報」ではなく、現場の生の声である「1次情報」を収集することを心がけよう。

1次情報を得るためには、ヒアリングが欠かせない。ユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセン博士の分析では、3人のユーザーにテストを行えば、解決すべき課題の約70%を、5人だと約85%は見つけられるということが示された。つまり、3~5人にヒアリングすれば必要な情報をほぼ得ることができるのだ。

真の問題をあぶり出す「So What?」「Why So?」
rclassenlayouts/gettyimages

ビジネスに限らず、世の中で起こっている現象には必ず何らかの原因がある。問題解決のためには、ある現象の解釈について「本当に、そうなのか?」と疑い、「真の問題」をあぶり出し、「イシュー」(issue)を特定しなければならない。この場合のイシューとは、その場で論じるべき「もっとも重要な課題」である。

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要約公開日 2020.10.24
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