2000年に『コーチングが人を活かす』を執筆した当時、著者は次の3つの理由からこれからコーチングが必要とされるだろうと考えていた。
1つ目は、“何が正解かが簡単に見つけられなくなってきている”こと。前例のない課題を解決するためには、部下や後輩に指示を与えるのではなく、問いを投げかけ、一緒に解を探り出していくようなアプローチが必要である。
2つ目は、“組織における多様性の拡大”である。世代、国籍、ジェンダーなど組織の中の多様性は拡大している。価値観を異にする人と方向性を合わせ、共に未来を描いていかなければならない。
3つ目は、“イノベーションを求める声の高まり”である。上司は部下の挑戦をうながすために、問いを投げかけ、彼ら彼女らの視座を上げ、視野を広げ、視点を変える必要がある。
コーチングは、これらの「3つのチャレンジ」に貢献し得る。そして、20年を経た現在の日本で、この3つはより重要度を増している。
ここ20年間でコーチングが求められる領域が飛躍的に広がってきた。
たとえば“スポーツの世界”。熾烈な競争で、コーチや監督でも解を見出し、選手にアドバイスするのは簡単なことではない。また、チームスポーツであれば多様な国の人をマネジメントする必要がある。そして、勝利のためには新しい発想や戦略が不可欠だ。
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