「なぜあんなことを言ってしまったのだろう、やってしまうのだろう」。生きていると悩みは尽きない。でも、自分を客観視することで原因となっている「悪いクセ」が見えれば、意外なほど簡単にこれまでの悩みから解放される。よくあるケースから「悪いクセ」のタイプを解説していこう。
「言いたいことが言えない」という人は「自己犠牲タイプ」だ。言いたいことが言えないのは気が弱いからと思われがち。だが実は「自分が犠牲になればうまくいくから」と思っているのだ。小さい時から家族にとっての良い子、ダメな子を演じ、自分がストレスを受けることで「家族という世の中」をうまく回す。だから、大人になってもやりたいことを我慢してしまうのだ。
もし「言いたいことが言えない」と思ったらその瞬間、「自分は自己犠牲をしようとしている」と気づいてあげよう。それだけでも気の持ちようが大きく変わる。
「本当は断りたいのに、頼まれると断れない」という人も多いだろう。そのような人は「英雄タイプ」だ。家族関係がギクシャクしていたりして、子どもながらに「守ってもらえない」と感じていたから、「自分が英雄になって」守ろうとする。それは「自分は大切にされる価値がない」という自信のなさと裏返しだ。だから、人を助けることに価値を見出そうとする。
終えるのに要する時間など、具体的な数字を出して断るのは効果的だ。はっきり断れば、逆に関係を改善することにもつながる。
「ちゃんと聞いてるの!?」。よかれと思いながら、つい余計なひとことを発してしまう。このような人は「お節介焼きタイプ」である。子どもの時に、「あなたはお兄ちゃんなんだから我慢しなさい」などと言われると、不自由さとストレスを感じて、すべてに対して絶望的な感覚に陥るものだ。そこで、「他人の気持ちを考えると、自分のストレスに向き合わなくて済むこと」を学習してしまう。だから、「人の気持ちばかりを考える」ことがやめられなくなるのだ。
でも、その思いはストレスからきているので、相手のことを考えていても、「相手は不幸になる」とネガティブな思考しか湧いてこない。幻の「そこにある危機」と勝手に焦って、相手への怒りが止まらなくなってしまう。
もしそうなったら、「自分はお節介タイプだから、人のことばかり考えて相当脳にストレスが溜まっているんだな」と認めよう。好きなことに取り組んでストレスを解消する方向に動き出せるはずだ。
また、「私はこう感じている」という表現を使うことも有効だ。「話を聞いてくれないと私は寂しい」というように伝えると自分の気持ちが発散されるので、脳にストレスが溜まらなくなり、結果として相手を傷つけることも減っていく。
仕事で同じミスを繰り返すと、なぜだろうとみじめな気持ちになる。叱られることへの不安で疲れてしまう。このような人も先述の「英雄タイプ」の可能性が高い。「みんなを自分が守らなければならない」という強い責任感から、相手の不快な感情さえも全部自分が引き取ってあげなければと思ってしまうのだ。それに、「英雄だから完璧だ」と思い込む特徴も持っているため、細かな確認を疎かにしてしまいがち。
「人間だから失敗もする」と気づくことが先決だ。そして、自分の呼吸に注意を向けて、「今ここでやるべきこと」に気持ちを戻す。怒られている未来や失敗した過去ではなく、今だけに集中できれば、ミスがなくなる。
恋愛がうまくいかないという悩みも、心理の悪いクセを取り払えばうまくいくケースは多い。解決法を手に入れて人生を変えよう。
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