繊細な人  鈍感な人
繊細な人  鈍感な人
無神経なひと言に振り回されない40の考え方
繊細な人  鈍感な人
出版社
出版日
2021年08月27日
評点
総合
3.5
明瞭性
4.0
革新性
3.0
応用性
3.5
要約全文を読むには
会員登録・ログインが必要です
本の購入はこちら
書籍情報を見る
本の購入はこちら
おすすめポイント

「だから言ったでしょ?」「私はいいけど…」「言ってる意味わかる?」――。

相手の「ちょっとしたひと言」にモヤモヤが募ることはないだろうか。納得がいかないような、腹が立つような、なんとも言えない感情が湧きあがり、「そんなことより」なんて言われようものなら「そんなことってどういうことですか?!」と言い争いにもなりかねない。

他人のちょっとしたひと言を真に受けていらだち、傷つき、悲しみに暮れるのは、多くの人に共通するコミュニケーションの悩みである。特に人の気持ちに敏感な「繊細な人」ならなおさらだろう。

本書は、「無責任に責任を回避する」ひと言や「マウントを取ってくる」ひと言、「遠回しにバカにする」ひと言など、合計40のモヤモヤする「ちょっとしたひと言」のトリセツである。

心理カウンセラーでもある著者は、小さなころから他人のささいなひと言が気になる性格だったという。うまくいかない人づきあいやコミュニケーションについて、クヨクヨと悩み続け、いつの間にかそれが仕事になってしまったのだという。

要約者も「他人のちょっとしたひと言」が気になってしかたがないたちだ。ときに自分の中に湧き起こる感情で日常生活に差し障りがあることも少なくない。「繊細な人」にとって著者の実体験にもとづいたアドバイスは、一筋の光明をもたらしてくれる。「そうだよね、そんなことを言われたら悲しいよね。でも、そうやって対応すれば波風が立たないのか!」と相手も自分も尊重するうまいやり方を伝授してくれる。

よりよい人生のために、よりよいコミュニケーションのあり方を学びたいすべての人におすすめの一冊だ。

ライター画像
金井美穂

著者

五百田達成(いおた たつなり)
作家・心理カウンセラー
東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂、博報堂生活総合研究所を経て独立。現在は「コミュニケーション×心理」をテーマに執筆・講演を行う。幼少期から「言葉」に繊細で、「人の気持ち」に敏感な性格。そのせいで、人間関係に振り回されがちな思春期を過ごすが、結果的に「ちょっとしたひと言がもたらす効果」「人づきあいがラクになる考え方」について独自の視点とメソッドを確立するにいたる。日常生活ですぐに使える「話し方アドバイス」が人気で、『超雑談力』『話し方で損する人 得する人』『察しない男 説明しない女』(以上、ディスカヴァー・トゥエンティワン)などベストセラー多数。累計部数は100万部を突破している。「スッキリ」(日本テレビ)、「この差って何ですか?」(TBS)などメディア出演も多い。言葉のセンスを磨くオンラインサロン「おとなの寺子屋〜文章教室〜」が話題。

本書の要点

  • 要点
    1
    相手の何気ないひと言にモヤモヤするのは「繊細な人」の他人を見る目の解像度が高いからだ。
  • 要点
    2
    繊細な人は、相手の気持ちを想像し、おもんぱかる「気づきやすい」性格はそのままに、「受け止め方」を変えると、心の平穏を保ちつつ良好な人間関係を維持することができる。
  • 要点
    3
    モヤモヤする相手のひと言は、笑ってスルーしたり、波風を立てない返しをしたりすることにより、相手との関係性を壊さず、自分の心も守ることができる。

要約

人間関係のモヤモヤを解消するコツ

言葉の受け止め方を変える

「なんであんなこと言うんだろう?」「気にさわるようなこと言ったかな?」他人のちょっとしたひと言を受け流せずクヨクヨと気にしては、「悪気はないのかも」と相手を気づかい、反省してしまう。そんな「繊細な人」が「鈍感な人」のデリカシーのないひと言に振り回されることなく、スッキリした人間関係を築くためのレッスンを提供するのが本書である。

繊細な人は他人の考えを理解し、尊重しようとする気持ちが強い。そのため、ちょっとした違いにも敏感でよく気づく。他人を見る目をレンズにたとえると「解像度が高い」のである。想像力を働かせて相手の気持ちをおもんぱかり、丁寧なコミュニケーションをするのが「繊細な人」だ。

この「気づきやすい」性格を、変える必要はない。変えるのは「受け止め方」のほうである。

相手の言葉に対する考え方や感じ方を少し変えてみよう。それだけで、自分のテリトリー(領域)に他人が土足で踏み込むのを防ぎ、心の平穏を保ちつつ適度な距離の人間関係を築くことができる。

ずるい言葉

今さら困る「だから言ったでしょ?」
thebigland88/gettyimages

仕事でA案とB案で迷って選んだA案がうまくいかなかった。ただでさえ気分が落ち込んでいるところに「だから言ったじゃん」と言われたらどうだろう。「すみません……」とつい謝ってみたものの、別に迷惑をかけてないのに、なんで謝っているんだろうとモヤモヤする。

「やると思った!」「私はもともと反対だった」「もっとこうすればよかったのに」など、今さら仕方ないことを言われたときは、「ですよね〜」「やっぱり〜」と笑ってスルーしてしまおう。

もっと見る
この続きを見るには...
残り3916/4603文字

3,400冊以上の要約が楽しめる

要約公開日 2021.12.16
Copyright © 2025 Flier Inc. All rights reserved.
一緒に読まれている要約
ゆっくり、いそげ
ゆっくり、いそげ
影山知明
「怒り」が消える心のトレーニング
「怒り」が消える心のトレーニング
安藤俊介
「普通」に見えるあの人がなぜすごい成果をあげるのか
「普通」に見えるあの人がなぜすごい成果をあげるのか
越川慎司
「やめる」という選択
「やめる」という選択
澤円
超 話し方図鑑
超 話し方図鑑
五百田達成
未来のきみを変える読書術
未来のきみを変える読書術
苫野一徳
心はどこへ消えた?
心はどこへ消えた?
東畑開人
諦めの価値
諦めの価値
森博嗣