コミュニケーションとは、人と人とが情報や感情を「やり取り」することだ。スムーズな行き来には「潤滑油」が欠かせない。潤滑油は一見話の中身と関係しないが、実は高い効果を発揮する。
その中で最も代表的なものは、あいさつだ。話す前にきちんとあいさつをするだけで、友好的な関係を結びたいという気持ちを伝えられる。結果、相手は自ら快く動いてくれるのである。
ビジネス上でも「お世話になっております」「おつかれさまです」だけではなく、「こんにちは」「おはようございます」といった日常のあいさつを加えてみよう。相手により人間味をアピールできる。
相手の語彙や言い方に合わせるのは、とても効果的なテクニックである。たとえば「プロジェクトを立ち上げる」に関してなら、「開始」「始動」「ローンチ」「スタート」「キックオフ」など、さまざまな言い方がある。この場合、表現は相手のカルチャーに合わせるのが基本である。
この一手間によって、相手は頭の中の変換コスト(手間)を省くことができ、すばやく正確な対応をしやすくなる。
近しい間柄ではいつもの専門用語でも通じるが、そうでない相手への使用は避けたほうがいい。また、あえて難しい言葉でプレッシャーをかける手法は、長い目で見るとデメリットの方が大きいだろう。
話し方は、目的によって変えることが望ましい。ここでは、目的別に3つの話し方を紹介する。
(1)自分の意見を言うときの「I話法」
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