「話し方のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。

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出版社
出版日
2021年11月22日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

読書をしていると「これは、あの本にも書かれていたな」ということがある。あるテーマの関連本を何冊か読むと、著者同士はつながりがなくとも、似たような内容が書かれているのは珍しいことではない。複数の本で触れられていることは、そのテーマにおける「重要事項」であることに違いないだろう。

本書は「話し方」「伝え方」のテクニックを1冊にまとめた、究極の話し方本である。著者たちは、ビジネス会話、雑談、プレゼンテーションなど、「口頭・対面のコミュニケーション」をテーマにした名著100冊を丹念に読み込み、「共通のノウハウ」を洗い出した。その結果を40項目にまとめ、掲載冊数の多いものからランキング形式で紹介したのが本書である。堂々の1位に輝いた「会話は『相手』を中心に」は、なんと100冊中70冊で言及されていたというから驚きだ。

世の中に話し方の本は数多く出版されているが、「どれから読めばいいだろう」と迷ったら、まず本書を手に取ってほしい。必ずや求めているノウハウが見つかるだろう。また、参考書籍の紹介も随所に散りばめられているため、「次に読みたい本」を探すにあたっても大いに参考になるはずだ。ぜひ大ヒットした前著『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』とあわせてお読みいただければと思う。

ライター画像
矢羽野晶子

著者

藤吉豊(ふじよし ゆたか)
株式会社文道、代表取締役。有志4名による編集ユニット「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。
編集プロダクションにて、企業PR誌や一般誌、書籍の編集・ライティングに従事。編集プロダクション退社後、出版社にて、自動車専門誌2誌の編集長を歴任。
2001年からフリーランスとなり、雑誌、PR誌の制作や、ビジネス書籍の企画・執筆・編集に携わる。文化人、経営者、アスリート、グラビアアイドルなど、インタビュー実績は2000人以上。
2006年以降は、ビジネス書籍の編集協力に注力し、200冊以上の書籍のライティングに関わる。大学生や社会人に対して、執筆指導なども行っている。
共著書に『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)、単著書に『文章力が、最強の武器である。』(SBクリエイティブ)がある。

小川真理子(おがわ まりこ)
株式会社文道、取締役。「クロロス」のメンバー。日本映画ペンクラブ会員。
日本女子大学文学部(現人間社会学部)教育学科卒業。編集プロダクションにて、雑誌や企業PR誌、書籍の編集・ライティングに従事。その後、フリーランスとして、大手広告代理店の関連会社にて企業のウェブサイトのコンテンツ制作に関わり、仕事の幅を広げる。
現在はビジネス書や実用書、企業をクライアントとするPR誌などの編集・執筆に携わる。子ども、市井の人、イケメン俳優、文化人など、インタビューの実績は数知れず。得意なジャンルは「生活」全般、自己啓発など。
共著書に『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』(日経BP)、自ら企画編集執筆に携わった本に『親が倒れたときに読む本』(枻出版)がある。近年は、ライティング講座にも力を注ぐ。

文道
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YouTube「文道TV」
https://www.youtube.com/channel/UC4Tp1uYoit3pHXipRp_78Ng

本書の要点

  • 要点
    1
    会話においては、相手の話をよく聞き、相手の聞きたい話をすることが重要だ。話し上手な人は「話す」ことより「聞く」ことに重点を置いている。
  • 要点
    2
    わかりやすく伝えるためには、話す順番を意識しよう。結論から話すと、聞き手の理解度が高まる。同様に、「数字」「固有名詞」「体験談」を盛り込むのも効果的である。
  • 要点
    3
    「もっと話したい」と思われるためには、話す内容だけでなく、表情に気を配るとよい。笑顔で話すために、「言葉の最後に無言の(イ)をつけて話す」を試してみよう。
  • 要点
    4
    会話力は先天的なものではなく、練習によって伸ばすことができる。

要約

話し方の名著100冊に共通するポイント

「話し方・伝え方」大事な順ランキングベスト40

本書を執筆するにあたって、著者である藤吉氏と小川氏は、話し方(会話術)の名著100冊を読み込み、それらに共通するノウハウを洗い出した。洗い出したノウハウを「掲載されていた本の冊数」によって順位付けし、冊数が多いほど重要度が高いとして、本書で「『話し方・伝え方』大事な順ランキングベスト40」を紹介している。

著者らによると、ランキングの1位から7位は、すべての人に必要な基本ルールだ。8位から20位は話がうまい人に共通するポイント、さらに21位から40位はコミュニケーション力をさらに高めるためのコツとされている。

要約ではそのうち、9個をピックアップして紹介していく。

【必読ポイント!】本当に大切な基本ルール

kazuma seki/gettyimages
1位:会話は「相手」を中心に

話し方の名著100冊のうち、70冊が取り上げていたのが「相手(聞き手)を中心に会話をする」だ。具体的には、相手の話をよく聞くことと、相手の聞きたい話をすることである。

相手の気持ちを無視して自分の言いたいことを一方的に話していては、会話は成り立たない。伊藤羊一氏は『1分で話せ』において、「『自分が相手に伝えたい』という視点(『主観の自分』と呼びます)しか持っていないのであれば、その話を聞いている相手の気持ちが理解できず、相手に伝わらないということです」と述べている。

「聞き上手は話し上手」ということわざがあるように、話し上手な人は「話す」よりも「聞く」を大切にしている。なぜなら人は、「自分の話を聞いてくれる人」に好意を抱くものだからだ。話を聞くことで、相手の「重要な存在であると思われたい」という欲求を満たせる。

心理カウンセラーの五百田達成氏は『話し方で損する人 得する人』の中で「話を聞くだけで、誰からも好かれる」と述べている。自分ばかり話すのではなく、「話す」を2〜3割、「聞く」を7〜8割にすることを意識してみよう。

2位:「伝える順番」が「伝わり方」を決める

伝わる会話には「型」がある。型とは、話の組み立てや伝える順番のことだ。会話のプロである名著の著者の多くが「何を言うかと同じくらい、どの順番で話すかが大事である」「話す順番を変えると、伝わりやすさが変わる」と述べている。

会話のプロが推奨する型には「逆三角形型」と「PREP法」があり、いずれも「結論」を最初に述べるという点が共通している。結論とは「自分が一番伝えたいこと」「相手が一番知りたいこと」だ。結論を先に伝えれば、相手は話の目的・主題をわかった上で聞けるので、ストレスがない。

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要約公開日 2021.12.10
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