どこでも成果を出す技術

テレワーク&オフィスワークでなめらかに仕事をするための8つのスキル
未読
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出版社
技術評論社

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出版日
2022年01月20日
評点
総合
3.8
明瞭性
4.0
革新性
3.5
応用性
4.0
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おすすめポイント

AIの進化やデジタルトランスフォーメーションの推進など、ビジネスの世界は抜本的な変化を迫られている。

他国に比し、日本の生産性の低さはかねてより指摘されてきたが、日本は企業も個人もワークスタイルを大きく変えることができずにいた。そうした中で世界を襲ったコロナ禍は、ワークスタイルの変革を強制的に促し、一気に加速させた。

本書は、10年以上にわたって大企業やフリーランスでテレワークを実践してきた著者による「新しい時代の働き方」の指南書だ。テレワークや、オフィス勤務とテレワークのハイブリッドを主眼に提唱している8つのスキルは、どんな働き方であっても活用でき、応用が利くと感じた。すなわち、ロジカルコミュニケーション、セルフマネジメント、ヘルプシーキング、クリティカルシンキング、チームビルディング、プロジェクトマネジメント、ファシリテーション、ITスキル/リテラシーの各スキルだ。

オフィスでの業務を求められる企業や個人であっても、生産性の向上や円滑な業務遂行のために、これらのスキルが必要なことはきっとお分かりいただけるはずだ。

在宅でもカフェでもオフィスでも、どこにいても成果を出せるコツが惜しみなく紹介され、実用的な一冊だ。

著者

沢渡あまね(さわたり あまね)
作家/ワークスタイル&組織開発専門家。
あまねキャリア株式会社CEO/株式会社NOKIOOアドバイザー/株式会社なないろのはな 浜松ワークスタイルLab所長/ワークフロー総研フェロー。
日産自動車、NTTデータなど(情報システム・広報・ネットワークソリューション事業部門などを経験)を経て現職。350以上の企業・自治体・官公庁で、働き方改革、組織変革、マネジメント変革の支援・講演および執筆・メディア出演をおこなう。
著書は『新時代を生き抜く越境思考』『バリューサイクル・マネジメント』『職場の問題地図』『仕事の問題地図』『働き方の問題地図』『システムの問題地図』『マネージャーの問題地図』『業務改善の問題地図』『職場の問題かるた』『仕事ごっこ』『業務デザインの発想法』『仕事は「徒然草」でうまくいく』(技術評論社)、『ここはウォーターフォール市、アジャイル町』(翔泳社)、『はじめてのkintone』『新人ガールITIL使って業務プロセス改善します! 』(C&R研究所)ほか多数。
趣味はダムめぐり。#ダム際ワーキング

本書の要点

  • 要点
    1
    今後はエンプロイアビリティ(雇用されうる能力)が重要になる。ITスキルを使い、効率的に仕事をこなし、価値創造ができる、そんな人が求められる。
  • 要点
    2
    生産性は業務の削減で向上させるものではなく、余白を使って向上させるものだ。セルフマネジメントで働きやすい環境を整え、生産性を向上させる「勝ちパターン」を持とう。
  • 要点
    3
    テレワークではトラブルを抱え込みがちだ。チームのためにも、適切に助けを求める「ヘルプシーキング」を実践しよう。ヘルプシーキングには、互いにリスペクトできる環境が必要だ。

要約

【必読ポイント!】変化した「仕事の常識」

エンプロイアビリティで価値を上げる

コロナ禍により、従来の働き方の無駄に気付いた人は多い。通勤時間、不要な会議、会議のためのスケジュール調整や資料作成など、価値を生まない間接業務、調整業務の多さが浮き彫りになった。

テレワークの拡大は仕事の無駄を省き、本来の業務、価値創造へのフルコミットを可能にした。更にデジタル化が進めば、仕事はより高密度になり、正しく価値を発揮して成長できるようになる。

そしてこれからは“Employability”(エンプロイアビリティ)、「雇用されうる能力」が重要になる。つまり、最新ツールを使いこなして効率よく仕事をできる人、無駄を省きプロとして本来価値の創出ができる人、こんなエンプロイアビリティの高い人の価値が大事になっていく。

エンプロイアビリティが高いと、異動や転職にも有利だ。一方、前時代的な環境はエンプロイアビリティを下げる。時代遅れな社内ルール、対面による会議の強要、膨大な資料作成、そんな職場に意欲的な人材は集まらないだろう。

コロナ禍を機に、本質的な価値を生み出せる仕事のやり方に変えていけるかどうか。ビジネスパーソンとしてのスキル、力量の差はそこにかかっている。

テレワークの現在位置
kazuma seki/gettyimages

テレワークには4つのステージがある。

テレワーク0.0は、テレワークが行われていない、または時短勤務者などが例外的に行っている状態で、コロナ禍前の日本のスタンダードだ。

テレワーク0.5は多くの企業の現状、一部の業務を在宅で行うスタイルだ。業務の抜本変更はせず、出社必須の業務が残っている。

テレワーク1.0は、リエンジニアリングによりオフィス外でも従来の業務を遂行できる状態だ。ワークフローシステムやタスク管理ツールを導入し、場所や時間に囚われず効率的に業務を行える。ただ、法規制や内部規制により一部業務で紙や押印の作業が残る。

そこから更に進んだテレワーク2.0は、全国のフルリモートワーカーや複業人材の採用など新たな雇用モデルが実現し、リモートで全く不便なく協業や価値解決を実現できる状態だ。商圏を広げたり、地方中小企業が都市部の人材を活用したり、海外の人材を雇ったりするなど、テレワークを駆使して時間や場所の制約を受けずに課題解決や価値創造ができる。

あなたの会社はどのステージだろうか。次のステージに進むためには、会社任せではいけない。個人が考え行動し、何が課題で何が必要か考えなければならない。

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要約公開日 2022.03.11
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